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■ 制度疲労か、それとも経営環境の変化か? 執行役員制度の見直しムードを斬る!

経営管理会計トピック

日本の企業文化に、「執行役員」が1997年に登場して、早や20年弱。それくらい時間が経過してしまうと、導入当初の思想も曖昧になり、制度疲労も見えてきて、新聞報道にあるような変化がみられるようになりました。本稿では、まずは新聞記事の流れをおさらいした後、そもそも「執行役員制度」とは? を考えてみたいと思います。

2016/8/23付 |日本経済新聞|朝刊 曲がり角の執行役員制度(上)廃止企業、相次ぐ 統治改革で見直し機運

「1997年のソニーを皮切りに執行役員制度が産業界に広がって約20年。定着したかに見えたが、ここにきて廃止する企業が増えている。企業統治改革の進展の中で制度の矛盾があらわになってきたためだ。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

上記連載記事の(上)では、まず執行役員制度の廃止を決めた会社の事情から説明が始まります。

● LIXIL
・経営体制刷新の一環で中核事業会社LIXILの執行役員制度を7月1日に廃止
・LIXILの役員待遇の幹部は114人から53人に半減
・組織階層を1つ削減
 ①「専務執行役員」など役付きの執行役員は「専務役員」「常務役員」の肩書へ
 ② それ以下の「上席執行役員」「執行役員」は新設の「理事」に一本化

この組織改革を断行したのは、工具通販大手MonotaROから招聘された瀬戸欣哉氏。

(下記は、同記事添付の瀬戸氏の写真を転載)

20160823_LIXILグループの瀬戸社長は執行役員制度廃止など経営体制にメスを入れた_日本経済新聞朝刊

経営スピードすなわち意思決定スピードの早期化を目的に、トップマネジメントの階層の簡素化と権限の明確化を目的に行われた組織変更。瀬戸氏いわく、「権限が曖昧な執行役員が膨れ上がって、企業規模に比べて幹部が多すぎる」。

⇒「(ビジネスTODAY)「トップ」スリムに即判断 LIXILグループ M&Aで経営層肥大化 瀬戸次期社長、就任前に大なた 役員半減

● ロート製薬
・5月に2002年から続く執行役員制度を廃止
・営業部門では「執行役員」が外れて「営業本部長」となるなど役割が明確に

●広栄化学工業
・6月に執行役員制度を廃止
「指揮系統が複雑になり機能していなかった」

そして記事では、次のように、「執行役員制度」廃止の流れが強くなってきた理由をまとめています。

1.コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用開始
同コードは、「取締役会の監督機能強化を求めている。社外取締役が経営陣(執行部)の業務執行を監視したり助言したりするのが目指すゴール」

2.会社法による機関設置に基づくポストでない
「監督と執行の分離が進む中で本来、法定のポストでもない執行役員とはいったい何なのか。根本的な問いを経営者に突きつけた」(ガバナンス助言会社プロネッド:酒井功社長)

「執行役員は「役員」という名が付くが、会社法上の役員(取締役、監査役)ではなく、立場上は従業員である幹部が任命される場合が多い。株主代表訴訟などで法的に執行責任を問われるのは取締役会メンバーである社長や社内取締役で、執行役員ではない。」

 

■ 全ての混乱の始まりは、ソニーに憧れた会社の方便としての「取締役執行役員」の存在だった!

やれやれ。前章で紹介された会社の機関設計はそれぞれ異なります。その違いを見ずして、十把一絡げで「執行役員制度」廃止の弊害とメリットは語れないのですよ。

・LIXIL                  → 指名委員会等設置会社
・ロート製薬          → 監査役会設置会社
・広栄化学工業     → 監査等委員会設置会社

「指名委員会等設置会社」
取締役会が選任する執行役が、取締役会から権限委譲を受けて業務執行をおこなう形態の会社で、取締役会が「監督」、執行役が「経営」を担い、英米流の「経営と執行の分離」をそのまま取り入れた機関設置を採用したもの

(ここでは便宜的に、「監督」=「経営」 ⇔ 「経営」=「執行」の用語が微妙に入り乱れることをご容赦ください。厳密にいうと、株主と経営者の間では、「所有」と「経営」の分離と言い、「取締役(会)」と「執行役(員)」の間では、「監督」と「執行」の分離というんです)(^^;)

「監査役会設置会社」
3人以上の監査役が必要で、そのうち半数以上は社外監査役でなければならない監査役会が取締役会の監視をおこなう形態の会社で、従来の日本企業のほとんどがこれを採用していた。
この形態における取締役会は、次の権限を有する
①会社の業務執行の決定
②取締役(代表取締役を含む)の職務執行の監督
③代表取締役の選定・解職
④代表取締役以外に業務を執行する取締役を選定

ここで重要なのは、指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社では、別途法令で定められたもの以外、その会社の業務を執行することはできない(会社法415条)と厳しく、逆に禁止されていることです。これ本当に重要!

「監査等委員会設置会社」
監査役会に代わって過半数の社外取締役を含む取締役3名以上で構成される監査等委員会が、取締役の職務執行の組織的監査を担う形態で、取締役会の権限は「指名委員会等設置会社」とほぼ同様。

3つの会社機関の違いは次の過去投稿を参照
⇒「「指名委」設置4倍 475社 企業統治意識高まり14年比で 人事透明に、運用カギ
⇒「「監査等委」設置広がる 上場600社、企業統治強化 - 監査等委員会設置会社への移行メリットとは?

2003年の商法(当時)改正により、「委員会等設置会社(当時。現在の指名委員会等設置会社)」を選択できるようになったのに伴って、「執行役」というのが設置されて、「株主総会」が、株主利益を代表する「取締役(会)」を任命し、「取締役」が通常の業務執行を担う「執行役」を任命する構造が法定化されました。「取締役(会)」は、株主からの受託責任と「執行役」の業務執行の監督責任を有し、「執行役」は業務執行責任を負うのです。

それゆえ、そもそも、「執行役」もしくは、俗称の「執行役員」とは、「監査役会設置会社」以外の会社において、取締役の責任を負わずに、日々の業務執行責任だけ負う立場の経営者という意味なのです。

ここで2つの混乱を収めます。

1.「執行役員」
上記、委員会設置会社が会社法で認められる前の1997年に、英米流のコーポレートガバナンスを導入するために、ソニーが経営層(取締役会)における「監督と執行」の分離を実践しようとした際に、執行業務に就く経営幹部たちに「執行役員」という名を授けたのです。その後に、法律が追随して、「執行役」という名称が法定のものになったのです。実質的な意味は同義としてよいものですが、生まれが違います。

2.「取締役執行役員」
本来、「取締役」と「執行役(員)」は、ミッションも法的責任も異なるはずなのですが、日本企業の全てが「委員会設置会社(当時)」ではなく、「監査役会設置会社」が主流だったにも関わらず、ソニー流のコーポレートガバナンスがかっこいい、もしくは合理的と判断したため、両方を兼任する経営幹部を生み出したのがそもそもです。「執行役」を監視・監督するべき立場の「取締役」が「執行役(員)」を兼務するという、英米流には完全に矛盾・崩壊している形態が、これまでの日本企業では当たり前に見られた風景だったのです。

 

■ 会社機関としての取締役会の使命とは何か? を今一度考える

ここで、取締役会の本来のミッションを議論するために、コーポレートガバナンス・コードを引いてきます。

20160828_コーポレートガバナンス・コード_基本原則4

この文章では、3つの会社機関設計の全てに共通して、
①大きな企業戦略の立案
②経営陣(執行役、執行役員)の監視

を取締役会の役割・責務と言い切っています。そして、後者②について、社外役員(社外取締役・社外監査役)による監視が望ましいとも言い切っています。「監督」と「執行」の分離と、監視強化のための社外役員の登用は、言い方は悪いですが、高額報酬を貪る性悪説前提のCEOの横暴を抑止することを主眼に置いており、それが日本企業の経営に須くマッチしているか、については甚だ疑問です。

当記事では、
「執行役員制度から距離を置く有力企業もある。
 東レの場合、取締役の多くが事業や部門の責任者を兼ね、取締役会と執行部が一心同体となっている。まさに従来の日本型企業統治の典型のような企業だ。株主総会で選ばれた取締役が責任を持って業務執行することを基本にする。執行役員制度を導入しないのは「取締役会を機能させるため」(同社)という。業務を執行しない社外取締役が経営者を監督する欧米流統治の対極を行くが「権限が曖昧なポストは不要」という意味では廃止派と同じ理屈だ。」

という風に、「監査役会設置会社」である東レを引き合いに出して、「執行役員制度」にダメだしをしています。その記述内容そのものにはフルアグリーなのですが、そもそも、「監査役会設置会社」において、「執行役(員)」の存在自体が、奇異なんですよ。問題の本質はそこにあることを読者の方々には分かってほしいと強く思います。(><)/

コーポレートガバナンスの本質を問わずに、形式だけ取り入れたことによるまずさ、そして、「●●執行役員」というタイトルで経営幹部を処遇する人事上の都合、それが日本風「執行役員制度」という奇形を生み出しただけなのでした。

⇒「曲がり角の執行役員制度(下)機能強化へ「1年契約」 結果責任で緊張感保つ  - 執行役員制度のメリットを引き出す方法とは?

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

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曲がり角の執行役員制度(上)廃止企業、相次ぐ 統治改革で見直し機運 - 執行役員制度導入と会社機関設置の思想を振り返る!http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭会計で経営を読むソニー,コーポレートガバナンス・コード,企業統治指針,会社法,監査役会設置会社,監査等委員会設置会社,指名委員会等設置会社,LIXIL,執行役員制度,執行役員,ロート製薬,広栄化学工業,執行役■ 制度疲労か、それとも経営環境の変化か? 執行役員制度の見直しムードを斬る! 日本の企業文化に、「執行役員」が1997年に登場して、早や20年弱。それくらい時間が経過してしまうと、導入当初の思想も曖昧になり、制度疲労も見えてきて、新聞報道にあるような変化がみられるようになりました。本稿では、まずは新聞記事の流れをおさらいした後、そもそも「執行役員制度」とは? を考えてみたいと思います。 2016/8/23付 |日本経済新聞|朝刊 曲がり角の執行役員制度(上)廃止企業、相次ぐ 統治改革で見直し機運 「1997年のソニーを皮切りに執行役員制度が産業界に広がって約20年。定着したかに見えたが、ここにきて廃止する企業が増えている。企業統治改革の進展の中で制度の矛盾があらわになってきたためだ。」 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 上記連載記事の(上)では、まず執行役員制度の廃止を決めた会社の事情から説明が始まります。 ● LIXIL ・経営体制刷新の一環で中核事業会社LIXILの執行役員制度を7月1日に廃止 ・LIXILの役員待遇の幹部は114人から53人に半減 ・組織階層を1つ削減  ①「専務執行役員」など役付きの執行役員は「専務役員」「常務役員」の肩書へ  ② それ以下の「上席執行役員」「執行役員」は新設の「理事」に一本化 この組織改革を断行したのは、工具通販大手MonotaROから招聘された瀬戸欣哉氏。 (下記は、同記事添付の瀬戸氏の写真を転載) 経営スピードすなわち意思決定スピードの早期化を目的に、トップマネジメントの階層の簡素化と権限の明確化を目的に行われた組織変更。瀬戸氏いわく、「権限が曖昧な執行役員が膨れ上がって、企業規模に比べて幹部が多すぎる」。 ⇒「(ビジネスTODAY)「トップ」スリムに即判断 LIXILグループ M&Aで経営層肥大化 瀬戸次期社長、就任前に大なた 役員半減」 ● ロート製薬 ・5月に2002年から続く執行役員制度を廃止 ・営業部門では「執行役員」が外れて「営業本部長」となるなど役割が明確に ●広栄化学工業 ・6月に執行役員制度を廃止 「指揮系統が複雑になり機能していなかった」 そして記事では、次のように、「執行役員制度」廃止の流れが強くなってきた理由をまとめています。 1.コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用開始 同コードは、「取締役会の監督機能強化を求めている。社外取締役が経営陣(執行部)の業務執行を監視したり助言したりするのが目指すゴール」 2.会社法による機関設置に基づくポストでない 「監督と執行の分離が進む中で本来、法定のポストでもない執行役員とはいったい何なのか。根本的な問いを経営者に突きつけた」(ガバナンス助言会社プロネッド:酒井功社長) 「執行役員は「役員」という名が付くが、会社法上の役員(取締役、監査役)ではなく、立場上は従業員である幹部が任命される場合が多い。株主代表訴訟などで法的に執行責任を問われるのは取締役会メンバーである社長や社内取締役で、執行役員ではない。」   ■ 全ての混乱の始まりは、ソニーに憧れた会社の方便としての「取締役執行役員」の存在だった! やれやれ。前章で紹介された会社の機関設計はそれぞれ異なります。その違いを見ずして、十把一絡げで「執行役員制度」廃止の弊害とメリットは語れないのですよ。 ・LIXIL                  → 指名委員会等設置会社 ・ロート製薬          → 監査役会設置会社 ・広栄化学工業     → 監査等委員会設置会社 「指名委員会等設置会社」 取締役会が選任する執行役が、取締役会から権限委譲を受けて業務執行をおこなう形態の会社で、取締役会が「監督」、執行役が「経営」を担い、英米流の「経営と執行の分離」をそのまま取り入れた機関設置を採用したもの (ここでは便宜的に、「監督」=「経営」 ⇔ 「経営」=「執行」の用語が微妙に入り乱れることをご容赦ください。厳密にいうと、株主と経営者の間では、「所有」と「経営」の分離と言い、「取締役(会)」と「執行役(員)」の間では、「監督」と「執行」の分離というんです)(^^;) 「監査役会設置会社」 3人以上の監査役が必要で、そのうち半数以上は社外監査役でなければならない監査役会が取締役会の監視をおこなう形態の会社で、従来の日本企業のほとんどがこれを採用していた。 この形態における取締役会は、次の権限を有する ①会社の業務執行の決定 ②取締役(代表取締役を含む)の職務執行の監督 ③代表取締役の選定・解職 ④代表取締役以外に業務を執行する取締役を選定 ここで重要なのは、指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社では、別途法令で定められたもの以外、その会社の業務を執行することはできない(会社法415条)と厳しく、逆に禁止されていることです。これ本当に重要! 「監査等委員会設置会社」 監査役会に代わって過半数の社外取締役を含む取締役3名以上で構成される監査等委員会が、取締役の職務執行の組織的監査を担う形態で、取締役会の権限は「指名委員会等設置会社」とほぼ同様。 3つの会社機関の違いは次の過去投稿を参照 ⇒「「指名委」設置4倍 475社 企業統治意識高まり14年比で 人事透明に、運用カギ」 ⇒「「監査等委」設置広がる 上場600社、企業統治強化 - 監査等委員会設置会社への移行メリットとは?」 2003年の商法(当時)改正により、「委員会等設置会社(当時。現在の指名委員会等設置会社)」を選択できるようになったのに伴って、「執行役」というのが設置されて、「株主総会」が、株主利益を代表する「取締役(会)」を任命し、「取締役」が通常の業務執行を担う「執行役」を任命する構造が法定化されました。「取締役(会)」は、株主からの受託責任と「執行役」の業務執行の監督責任を有し、「執行役」は業務執行責任を負うのです。 それゆえ、そもそも、「執行役」もしくは、俗称の「執行役員」とは、「監査役会設置会社」以外の会社において、取締役の責任を負わずに、日々の業務執行責任だけ負う立場の経営者という意味なのです。 ここで2つの混乱を収めます。 1.「執行役員」 上記、委員会設置会社が会社法で認められる前の1997年に、英米流のコーポレートガバナンスを導入するために、ソニーが経営層(取締役会)における「監督と執行」の分離を実践しようとした際に、執行業務に就く経営幹部たちに「執行役員」という名を授けたのです。その後に、法律が追随して、「執行役」という名称が法定のものになったのです。実質的な意味は同義としてよいものですが、生まれが違います。 2.「取締役執行役員」 本来、「取締役」と「執行役(員)」は、ミッションも法的責任も異なるはずなのですが、日本企業の全てが「委員会設置会社(当時)」ではなく、「監査役会設置会社」が主流だったにも関わらず、ソニー流のコーポレートガバナンスがかっこいい、もしくは合理的と判断したため、両方を兼任する経営幹部を生み出したのがそもそもです。「執行役」を監視・監督するべき立場の「取締役」が「執行役(員)」を兼務するという、英米流には完全に矛盾・崩壊している形態が、これまでの日本企業では当たり前に見られた風景だったのです。   ■ 会社機関としての取締役会の使命とは何か? を今一度考える ここで、取締役会の本来のミッションを議論するために、コーポレートガバナンス・コードを引いてきます。 この文章では、3つの会社機関設計の全てに共通して、 ①大きな企業戦略の立案 ②経営陣(執行役、執行役員)の監視 を取締役会の役割・責務と言い切っています。そして、後者②について、社外役員(社外取締役・社外監査役)による監視が望ましいとも言い切っています。「監督」と「執行」の分離と、監視強化のための社外役員の登用は、言い方は悪いですが、高額報酬を貪る性悪説前提のCEOの横暴を抑止することを主眼に置いており、それが日本企業の経営に須くマッチしているか、については甚だ疑問です。 当記事では、 「執行役員制度から距離を置く有力企業もある。  東レの場合、取締役の多くが事業や部門の責任者を兼ね、取締役会と執行部が一心同体となっている。まさに従来の日本型企業統治の典型のような企業だ。株主総会で選ばれた取締役が責任を持って業務執行することを基本にする。執行役員制度を導入しないのは「取締役会を機能させるため」(同社)という。業務を執行しない社外取締役が経営者を監督する欧米流統治の対極を行くが「権限が曖昧なポストは不要」という意味では廃止派と同じ理屈だ。」 という風に、「監査役会設置会社」である東レを引き合いに出して、「執行役員制度」にダメだしをしています。その記述内容そのものにはフルアグリーなのですが、そもそも、「監査役会設置会社」において、「執行役(員)」の存在自体が、奇異なんですよ。問題の本質はそこにあることを読者の方々には分かってほしいと強く思います。(><)/ コーポレートガバナンスの本質を問わずに、形式だけ取り入れたことによるまずさ、そして、「●●執行役員」というタイトルで経営幹部を処遇する人事上の都合、それが日本風「執行役員制度」という奇形を生み出しただけなのでした。 ⇒「曲がり角の執行役員制度(下)機能強化へ「1年契約」 結果責任で緊張感保つ  - 執行役員制度のメリットを引き出す方法とは?」 (注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します