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フィンテック(FinTech)の最新動向 日本経済新聞より

経営管理会計トピック テクノロジー
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■ 2015年夏の「フィンテック」動向 - 経済紙はこのように報道する!

経営管理会計トピック

日本を代表する経済紙である日本経済新聞が、ここしばらくの「フィンテック」の扱いが気になりましたので、サマリ投稿を作ることにしました。経済紙ならではの観点と、日本が置かれている状況について、少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

まず、日経電子版の有料会員ならば、次のニュースまとめ記事が便利です。

2015/9/7|日本経済新聞|電子版 超サクッ!ニュースまとめ フィンテック革命、金融が変わる

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「フィンテック革命が世界で進んでいる。スマートフォンやビッグデータなどの技術を使った便利な金融サービスが次々と生まれ、個人の生活や会社の取引慣行などを大きく変えようとしている。」

ではまず、用語の定義から。

・2015/9/13朝刊記事から(内容は下記で紹介)
「▼フィンテック 金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語。金融とIT(情報技術)を融合した技術革新を指す。ITに秀でたベンチャー企業の技術を生かし、便利な金融サービスを創出する。ゲームで優待ポイントを獲得できるスマホ用アプリを配布し、銀行が来店者増を狙うような使い方が想定できる。」

・2015/9/5朝刊記事から(内容は下記で紹介)
「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を組み合わせた米国発の造語。世界中に普及したスマートフォン、ビッグデータ、人工知能(AI)などを駆使した金融サービスを指す。米国では金融業界だけでなく、グーグルなどもフィンテックに参入しつつある。」

 

■ 欧米のベンチャーや個別企業の動向の紹介から

この夏、まず、海外や、銀行規制緩和報道前の個別金融機関の動向を報じる動きから活発になりました。

2015/7/24|日本経済新聞|朝刊 金融・IT融合「フィンテック」、メガ銀も参戦 個人の貸し借りネット仲介・国際送金の手数料わずか/サービス欧米先行

「金融とIT(情報技術)を融合させる「フィンテック」が世界的に活発になってきた。先行する欧米ではネット上で貸し手と借り手を結びつける事業や、手数料が格安の国際送金など新たなサービスを次々生んでいる。出遅れ気味だった邦銀でも、みずほ銀行や三菱東京UFJ銀行がベンチャー企業との提携に動く。暮らしや経済の風景を変える可能性がある。」

(下記は本記事添付の表)

欧米を中心にフィンテックの動きが急だ_日本経済新聞朝刊_20150724

まず欧米のベンチャー企業の動向をまとめています。
・レンディングクラブ(米国)
「お金を借りたい人と貸したい投資家をネットを介して結びつける事業で成功し、仲介した融資額は1兆円を超した。借り手は銀行口座やクレジットカードの使用履歴といった信用情報を登録する。レンディングクラブは借り手を細かくランク付けして融資の上限や金利を決める。4日以内に融資が振り込まれるなど利便性が高い」

・トランスファーワイズ(英国)
「格安な手数料の国際送金サービスを手掛ける。スマートフォンで簡単に資産を管理したり、パスワードに頼らずに本人認証したりするサービスも普及してきた」

次に邦銀。
・みずほ銀行
「マネーフォワード(東京・港)と提携し、企業向けの会計支援サービスを始める。請求リストをもとに仮想の口座番号を割り当てた請求書を自動でつくり、どの企業から入金があったかまで確認する仕組みだ。」
「NTTデータと組んで有望ベンチャーを発掘。自社のサービス向上につなげる提携先を探す。」

 

・三菱東京UFJ銀行
「6月にフィンテックに特化したコンテストを開いた」

このほか、三井住友銀行なども、積極的にベンチャー企業のコンテストを開いている様子が複数回、朝刊記事として掲載されています。下記は直近記事をご紹介。

2015/9/17|日本経済新聞|朝刊 IT利用の金融サービス、人工知能や生体認証 関心 三井住友銀、ベンチャー発掘イベント

「三井住友銀行は16日、IT(情報技術)を利用した新たな金融サービス「フィンテック」の本格展開に向け、ベンチャー企業の発掘イベントを都内で開いた。参加企業は人工知能(AI)を活用した個人資産運用サービスなどの技術やアイデアを披露した。」

2015/9/15|日本経済新聞|朝刊 ふくおかFG、「金融+IT」事業アイデア募集

「ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は情報通信技術を活用したビジネスコンテストのアイデア募集を始めた。書類・面接の選考を通った10者が、12月に福岡市内で最終選考のプレゼンテーションをする。金融と技術を融合した「フィンテック」で便利な決済サービスなどを生み出すために、協業できる有望なアイデアや技術を開拓する。異業種のベンチャー企業と組み、サービスの利便性を高める。」

これに対して、金融に強い日系IT企業も、動きを見せています。

2015/8/26|日本経済新聞|朝刊 富士通の「フィンテック」連合体、100社以上が参加

「富士通がIT(情報技術)を駆使した新たな金融サービス「フィンテック」事業で設立するコンソーシアム(連合体)に、三菱東京UFJ銀行やみずほフィナンシャルグループを含む金融機関50社超が参加する。日本マイクロソフトなど50社超のIT企業も加わり、スマートフォンなどを駆使した新たな金融サービスの創出を目指す。」



2015/7/24|日本経済新聞|朝刊 NTTデータ、金融向け「フィンテック」支援

「NTTデータ IT(情報技術)を駆使した新たな金融サービスを提供する「フィンテック」の支援サービスを金融機関向けに始めたと24日発表した。ビッグデータ分析など顧客企業の要望に見合う技術を持つベンチャー企業を世界中から探し出し、技術検証などを担う。ビジネスモデルの構築も支援する。」

■ 黒船来襲に日本はどう立ち向かうか?

多分、このような見出しがステレオタイプな見方なのだと思います。進んでいる欧米に立ち遅れている日本。危機感をまずあおっておいて、いろいろ法整備などの必要性を世論に訴えようという作戦でしょう(誰の?)。

2015/9/13|日本経済新聞|朝刊 金融とIT融合「フィンテック」 日本IBMが参入 ベンチャーを紹介/「ワトソン」貸し出し サービス創出支援

「日本IBMは10月にも最新のIT(情報技術)を駆使して新たな金融サービスを生み出す「フィンテック」事業に参入する。ビッグデータ分析などの技術を持つ国内外のベンチャー企業や米IBMグループの銀行向け事業を国内の金融機関に紹介。スマートフォン(スマホ)のアプリが迅速に構築できるサービスを取りそろえ、便利な新サービスの創出を支援する。年内に10社からの受注をめざす。」

(下記は、記事添付の支援サービス内容解説図)

多様なメニューを提供し、便利な金融サービスの創出を支援_日本経済新聞朝刊_20150913

個々のサービス概要のポイントは3つ。

(1)事例紹介
「米シティグループやスウェーデンのノルデア銀行、豪ウエストパック銀行のコンテストなどを支援した実績がある。先行する海外の取り組みを情報提供し、現地視察メニューもそろえる」

(2)高速開発サービス
「新サービスの構想が固まった金融機関向けにスマホアプリの構築サービスを提供する。残高照会や資金移動、位置情報の取得、ポイント付与など頻繁に使う汎用的な機能をあらかじめ用意しておく。家計簿アプリや飲食代を計算する「割り勘」アプリでは1週間程度と通常の4分の1の期間で構築する」

(3)ベンチャー・新技術の発掘と技術評価
「アプリ開発にはベンチャーの技術を生かす。人工知能の技術を活用した新型コンピューター「ワトソン」を安価に貸し出して金融機関に役立つ技術の開発を促す。」

さて、これを向かい撃つ日本側。当局からこのような対策が出てきています。

2015/9/5|日本経済新聞|朝刊 金融とIT融合「フィンテック」後押し 金融庁、銀行規制17年ぶり緩和 仮想通貨の監視策検討

「金融とIT(情報技術)を融合した新しいサービス「フィンテック」の普及に向け、金融庁が環境整備に乗り出す。銀行が電子商取引やスマートフォン(スマホ)決済などの事業を運営できるように、17年ぶりに銀行規制を緩和する。取引所の破綻が問題になった仮想通貨取引では、監視策を初めて検討する。米欧が大きく先行する分野で日本勢が巻き返せるように側面支援する。」

主要な論点は2つ。

(1)持ち株会社の傘下で新事業を可能にする
「現在、銀行が持ち株会社の傘下に収めることができる子会社は金融業務のみ。これに対し、世界では金融とITの垣根が崩れ、スマホなどを活用した新しい金融サービスが急拡大する。
 規制が緩和されれば、日本の銀行もIT企業に出資し、楽天などと同じように電子モールを運営できる。銀行がモール利用者や出店企業のビッグデータを蓄積できれば、若年層など従来と違う幅広い顧客層に金融商品・サービスを提案する可能性も開ける。」



(2)仮想通貨取引について利用者の安全網を設ける
「具体的には世界の規制状況を踏まえて(1)取引の禁止(2)取引所の登録・免許制導入(3)利用者保護の新制度導入――の3案を軸に検討を始める。現時点では資金洗浄(マネーロンダリング)を防ぐ観点から、少なくとも取引所を監視する規制は設けたい意向だ。」

この記事で予告していた金融庁による金融審議会での2つの議論。それは次の記事で内容が紹介されています。まずは、決済分野の規制緩和を検討する運びとなりました。

2015/9/16|日本経済新聞|朝刊 金融×IT融合 フィンテック普及へ法整備  金融庁 決済、業種横断の規制検討

「金融庁は15日、決済に関する金融審議会(首相の諮問機関)を開き、金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」の普及を前提にした新たな法整備の必要性を議論した。今はITを駆使する新しい金融サービスに対する法の枠組みが存在しない。まずは決済分野で複数の業種を横断する形の規制を検討する。」

(下記は、記事添付の欧日の金融規制の比較表)

欧州と日本の規制などの違い_日本経済新聞朝刊_20150916

まず、フィンテックは「融資や資産運用、ビッグデータ、人工知能(AI)など複数の業種にまたがるが、なかでも決済分野で先行して新しいサービスが誕生している。米国ではシリコンバレー発の新興企業が台頭し、スマートフォンを活用したお金の決済が普及しつつある」ため、決済の各種規制緩和から着手するとのこと。

例示として、中国の電子商取引(EC)最大手のアリババ集団が「支付宝(アリペイ)」と呼ぶ決済サービスを展開し、モノから公共料金まで様々な支払いができる仕組みを設けており、仮にアリババが日本で同じサービスを提供しようとすれば、

・プリペイドカード法
・資金決済法
・貸金業法
の3つに抵触するとのこと。

既に、欧州では、欧州連合(EU)が銀行、電子マネー事業者、決済サービス事業者を対象に「EU決済サービス指令」と呼ぶ共通の規制を導入しています。業務内容や自己資本規制について、免許制のルールを定めているとのこと。

これを受けて、日本では、
①「金融・IT融合で様々なサービスを柔軟に展開するため、日本でも業種を横断する形の規制を将来構築すべきではないか」
②「フィンテックの分野は民間が先行して主導し、それを規制がサポートすべきだ」
という議論の方向性が示されました。

■ 民間は、座したまま、指をくわえて黙ってみないぞ!!

いよいよ、国内でも、業界団体設立の見通しが立ってきました。

2015/9/19|日本経済新聞|夕刊 「金融×IT」フィンテックのベンチャーが団体

「金融とIT(情報技術)を融合したサービスである「フィンテック」の分野に関連したベンチャー企業が、9月中にも業界団体を設立する見通しだ。」
「名称の候補は「フィンテック協会(仮称)」。代表理事を3人程度置き、関連ベンチャーの1社であるインフキュリオン(東京・千代田)の丸山弘毅社長らが就任する予定だ。まず、フィンテック関連のベンチャー企業を正会員として20社程度集める。個人投資家から投資一任業務を請け負う「お金のデザイン」(東京・港)なども参加を検討している。」

ざっと、ここまで、2015年夏の「フィンテック」をどう経済紙が報道しているかをまとめました。当然テクニカルな面の報道は少ないのですが、規制面・制度面や、団体・企業の動向はおおむね把握頂けたかと思います。

テクニカル面などを手軽に確認されたい場合は、下記サイトをご紹介しておきます。

「日本で注目のFinTech(フィンテック)ベンチャー業界マップ2015」(Longine)
https://www.longine.jp/abstract?id=1519

「最近、よく聞くフィンテックってどういう意味?新聞や雑誌で見かけることが増えたフィンテック(FinTech)の解説&代表例まとめ。」(クレジットカードの読みもの)
http://cards.hateblo.jp/entry/whatis-fintech-matome/

 

「新しい酒は新しい革袋に盛れ!」




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