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新世代が解く!ニッポンのジレンマ「なぜ変わらない?働き方のジレンマ」2016年11月27日 NHK - 誰があなたに仕事を与えてくれるのかを忘れてはいけない。顧客不在の議論は全て不毛である!

TV番組レビュー
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■ 仕事を舐めていませんか? やらされ仕事をだらだら長時間することと、自律的・能動的に働く時間が長いことの決定的な違い

コンサルタントのつぶやき_アイキャッチ

週末の夜、ザッピングをしていて、ふと目に留まったので、標題のNHKのパネラーによる討論番組を視聴しました。テーマによっては興味を惹くものが多いので、これまでも何度か見させてもらったのですが、若手の意識高い系の人たちが、いろいろとご高説をノタマウのを聞いていて、最初は、「ふーん、最近の20代、30代はこういう風に仕事を捉えているのか。私も職場で若手と一緒に仕事をしているから、何か参考にできないかなあ。」と前のめりで視聴していたのですが、あまりに40代・50代の仕事観とのギャップの大きさに驚いた次第です。

番組公式ホームページより

「この秋政府は「働き方改革」を宣言、「過労死白書」も発表され、今あらためて、働き方、意識改革が激しく叫ばれている。長時間労働始め、労働環境の苛烈さ、異常さは海外からもよく指摘されているが、なぜ変わらない?ニッポン企業の論理と、社員個々の多様な希望、考え方の溝をどう埋める?世代間で異なる価値観の相違などを越える道筋は?新たな働き方を唱えるリンダ・グラットンへの古市のインタビューも交え新たな展望を開く。」

【出演】総合商社勤務…堀口美奈,日南市マーケティング専門官…田鹿倫基,ソーシャルスタートUP育成PJTリーダー…渡邉賢太郎,公認会計士…斎藤祐馬,【司会】古市憲寿,二宮直輝,【語り】細谷佳正

当然、長時間労働が主題でしたが、良識的なパネラーが多く、単純に労働時間が長いことが「悪」で、定時で帰社できること、有給休暇を完全取得できることが「善」という言い方をされる方は少なくて安心しました。ロンドンビジネススクールのグラットン氏も論評されていましたが、

「長時間労働自体が悪いということはない。大切なことは、労働時間を自分でコントロールできているかどうか」

この一言には激しく同意します。私は経営コンサルタントという職業柄、比較的労働時間が長い方の職種に就いていると思いますが、現在所属しているチームでも、実は残業時間の長さが2位をダントツで引き離す圧倒的な第1位です。(^^;)
それでも、仕事をしていて、それ程、長時間勤務について苦に思わないのは、仕事の量と質と納期を自分でコントロールできているからです。当然、クライアントから厳しい納期を設定されるので、余裕でズブズブの時間感覚で仕事をしているわけではありませんが、厳しい納期の中で、いつ、どこで、どういう風に仕事をして、納期に間に合わせるのかは、かなりの部分で自分の裁量で判断させてもらっています。

<ポイント>
仕事に支配されてはいけない。上司や顧客から条件を出されても、結果を出す責任があるのは自分。自分の裁量でどうやって依頼条件を満たすか、最良の「How」を見つけるところに仕事の醍醐味がある!

「裁量」=「最良」!

 

■ 仕事を舐めていませんか? 自己実現や個性尊重も大事ですが、チームワーク軽視はまずいです

20代、30代の意識高い系の人たちが、あるべき働き方、健全な職場のあり方、労働施策として、日本企業が改めるべきところ、について、いろいろご意見をおっしゃっていました。中には、傾聴すべき意見も少なからずありましたが、中高年以上の世代への反論・反発の意見がほとんどで、そういう意見に強い嫌悪感を持ってしまった自分も、「ははーん、自分も会社組織の体制側に意識が傾いてしまったか」と少なからず自分を客観的に見ることはできました。

しかし敢えて言いたい。そんなに、自己愛が強くて、職場のしきたりや、職場の人間関係がうざいのなら、そもそも組織の中で仕事をする資格はありません。周囲の環境を否定し、組織内人間関係がそんなにあなたの仕事をする意識にマイナスだと感じるのならば、もっと自分に合う職場に移るか、個人事業主やフリーランスのお立場でお仕事をすることをお勧めします。

大きい組織に守られているのと引き換えに(ある程度の不自由との引き換えに)、安定収入や充実できる仕事の割り当てがあるのではないでしょうか。会社組織と個々人の働く人の関係は持ちつ持たれつです。自己主張だけ強く、組織内での仕事のやり方が、自己抑圧的とだけ感じる人は、実は、どの組織に属していても、あるいはどういう職務に就いても、同様の不満は一向に解消することはないでしょう。

<ポイント>
会社と個々人は持ちつ持たれつ。お互いイーブンで仕事の割り当てと仕事の完遂の責任を果たしている。一方的に会社に支配・抑圧されていると感じている時点で、チームで仕事をする資格はない。

「俺がおれがの「我」を捨てて、お蔭おかげの「下」で暮らせ!」

 

■ 仕事を舐めていませんか? 自己実現や個性尊重も大事ですが、顧客不在はまずいです

パネラーの人たちは、ある程度、勝ち組というか、意識高い系の人たちなので、一部の人を除いて、そんなに職業人としてのどん底をご経験されていないように見受けられます。相対的にまだ人生の経験時間が短いということは、人生の高低のブレも相対的に小さいはず。年寄りは、人生の酸いも甘いも経験済みですよ。「仕事」と「自分」と「会社」の3者の関係で、「自分」尊重の意見や、主体的に活動する、と一見、前向きで「善良」に聞こえるご意見でも、つまるところ、内向きの「自分」、内面的な自分のことファーストの意見に過ぎません。

仕事をするうえで、一番大事なことを忘れていませんか。

誰があなたに仕事を与えてくれているのですか? 直接、あなたに作業の指示を出す上司でしょうか? いいえ、違います。「仕事」はお客様が与えてくれるものです。仕事人間(ワーカホリック)や、団塊の世代を批判する前に、現在、「仕事」ができる環境にいることへの感謝の念が圧倒的に足りないように見受けられました。

<ポイント>
いかに、自分らしく仕事ができるかを考える前に、その仕事を下さるお客様のことを最優先に考えるべき。顧客満足のために仕事をする価値観を優先すること。お客様のために仕事をすることができる人は、些末な職場環境や抑圧的(と自分で思い込んでしまっている)な組織内のしきたりなど、顧客満足達成のために、自分で管理すべきパラメータの一変数に過ぎないことを知っている!

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