■ 楽観的なのがいいのか、それとも悲観的な方がいいのか?それが問題だ!
楽観よし悲観よし。
悲観の中にも道があり、
楽観の中にも道がある。
(現パナソニック創業者 / 1894~1989)
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相場の格言にこういうのもあります。
相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく
(ジョン・テンプルトン 米国の投資家/1912~2008)
一方は名経営者、もう一方は著名な投資家、ファンドマネージャー。見事にどちらも似たような言葉を残すものですね。(^^)
テンプルトンの方は、第二次世界大戦が始まった時に、上場株式のうち1ドル未満で買える銘柄を100株ずつ買い続けました。その後、1万ドルで手に入れた104銘柄のボロ株は、4年後に売った時には4万ドルになっていたそうです。典型的な逆張り投資家でした。ベンジャミン・グレアムの割安株投資の精神にも通じるところがあり、グレアムの忠実な弟子であり、徹底的に株式の適正価格にこだわった、ウォーレン・バフェットにも通じるところがあります。
事業家も、海のものとも山のものとも分からないビジネスチャンスに対して、自己の鋭い感と、鋭敏な嗅覚を備えていないと、成功の糧を得ることはできません。リスクテイクがあるから、ハイリターンがあるのは、投資家も事業家も同じだと思います。
というわけで、事業家としての松下翁も、自身の感情と上手く付き合って、成功事業の匂いを嗅ぎつけるだけでなく、それを成功に導く手腕も大いに発揮しました。
この悲観と楽観の使い分けが重要なのでしょう。
従前は悲観的に物事を捉え、あれやこれやと策を巡らし、十重に二十重に保険をかけて、慎重を期して分析し、プランニングを行います。できるだけ、反証を集め、だめだった時のコンティンジェンシープランを立てて、途中過程のオプションをいっぱい手の内に握っておく。
そして、いざ、実行の段になったら、楽観的に、積極的に、一気呵成に物事を進める。熱い心をもって、抜群の推進力と熱意で持って周囲の人間をリードする。人はみな、熱狂の内に、追随して、知らないうちに皆が成功の道を辿る。
人間の感情に基づく意思決定の営みの分析を重視した、“行動経済学”が今流行っていますが、松下翁やテンプルトンはずっと先を言っていたわけですね。(^^)
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