■ 行動がひらめきをもたらしてくれる
I don’t wait for moods. You accomplish nothing if you do that. Your mind must know it has got to get down to work.
私は気持ちが乗ってくるのを待ったりはしない。そんなことをしていては、あなたは何も成し遂げられない。とにかく仕事に取りかかるということを知らなければならない。
(米国の女性小説家、ノーベル文学賞受賞 / 1892~1973)
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明治の文豪、夏目漱石。「坊ちゃん」「三四郎」「それから」などなど。素晴らしい文芸作品を多数生み出しています。そういう漱石の著述活動はどんなに素晴らしいひらめきとインスピレーションと豪奢な生活や誰も体験しないスリルを自ら体験しに行くなどとった、はらはらドキドキする環境で生み出されたものではないそうです。
漱石は毎日決まった時間に机に向かい、決まった分量の原稿を書き続けるのが習慣だったそうです。創造的な仕事は創造的な環境や態度によって生み出されるというのは素人考えのようで、漱石は淡々とした毎日、ごくごく普通の日常生活からあれほどの作品を後の世に残すことになりました。
漱石とは比べるべくもありませんが、私もドキュメント・資料を作成することを仕事の中心の一つにしている職業人として、漱石と全く同じ態度で目の前の資料作りに没頭することにしています。
たとえば、パワーポイントで明日の資料を作ることになったら、ますパワポのテンプレートに手を入れ、それまでのセッションカレンダーを更新し、日付を変えて、目次スライドの項番を整理していきます。そういう一連の挙動をむりやり、気分が乗らなくても、まず手を動かして、資料と対面します。やがて、恐ろしいくらい理由はわからないのですが、天からアイデアが降って湧いてきて、ピンとくるものが頭の中に去来します。あとは、指がキーボードと叩くがままに任せます。
そうすると数時間があっという間に過ぎていき、気が付くと脳がくたくたに疲れてきているのを自覚します。糖分たっぷりのコーヒーを飲んで一服。そして推敲して、メールに添付して、クライアントに送付します。
恐ろしいほどに、名作や名著や自信作というものは、そういう無意識に筆が進む間に生み出されます。そしてそういう無我の境地に到達するには、恐ろしいほどに、ごくごく日常のルーティーンがトリガーとなるようです。
まあ、この文章も無理やりPCを開いて、画面と対峙した後、自然と湧き上がる内なる声に縋ってキーボードを叩いて生み出されています。専ら、私の場合は駄文と落書きにすぎませんが。(^^;)
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