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コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(37)五分間の法則 - 依頼主は自分たちの問題を最初から知っている

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■ 本当は、依頼主は自分の問題に対する解答を知っている

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このシリーズは、G.W.ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、著者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、私のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

外部リンク G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページ(英語)

コンサルタントは、依頼主(クライアント)との最初のインタビューで、事の真相を見切る眼力が求められます。でも、そのために事前に知っておく当たり前の法則は実に簡単なことです。

依頼主はつねに自分たちの問題の解きかたを知っている。そしてその解答を、最初の五分間の間に口にする。

G.W.ワインバーグ著「コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学」(P74)

実際に、コンサルタントがクライアントからコンサルティング・サービスの提供を依頼されるとき、クライアントの心理状態を知っておく必要があります。クライアントは社内の専門家や頼れる上司に相談しても、うまくいくような解決策が見つからないので、外部の専門家であるコンサルタントに助言を求めるのです。

ということは、コンサルタントが最初にクライアントに会って確認すべきことは、何が課題でどういう風に解決すればいいのか算段をすることです。ここがポイントです。どういう風に、ヒアリングすべき事柄を整理すればよいのでしょうか?

私は次のように整理することをお勧めしています。

    1. 【What】“何”がお困りごとですか?
    2. 【Why】“どうして”それがお困りごとなのですか?
    3. 【How】“どうすれば”それを解決できると思いますか?

■ コンサルティングの主体はあくまでクライアントであるべき

こういうと、常に反感を持つ方がいらっしゃるので、言い方には細心の注意を払う必要があるのですが、コンサルタントができることは、クライアントに気付きを与え、クライアントが問題解決をするのをお手伝いするだけです。

「所詮、コンサルタントなんて他人のふんどしで相撲をとっているだけだ」

実際に、社会的地位のある方から対面でこういう風な言葉を投げつけられたことがあります。そういう時は、笑って、「そうですね。^^)」と受け流すようにしています。ある側面ではそれは事実だからです。

クライアントとのヒアリングで驚かされるのは、圧倒的なできない理由の列挙や、いかに自分たちが置かれている環境が困難で、目標達成に不利かという愚痴や不平不満が多いことです。また、圧倒的に雑多な整理されていない事実、断片的知識、輻輳する情報です。

ワインバーグ氏は、これを本書の中で、「私が新しいコンサルタント業務に取りかかる場合の最大の問題は、圧倒的な事実の洪水である。人に会えば長い退屈な話を聞かされる。何かをやる理由、やらない理由が何千とある。」と表現しています。

しかし、コンサルタントは、真摯にそのクライアントの困惑に向き合い、全精力を傾けて傾聴の姿勢をもって、クライアントの語りから、隠された本当の課題を見出そうと努力するものです。それは、やがて課題の再発見という形で、しかもクライアントの十分な納得というおまけつきでもたらされることになります。

主体はクライアントに残しつつ、効率的に課題の再発見をお手伝いするのがプロフェッションとしてのコンサルタントの傾聴力だと常々考えています。相手に気づきを与えるコミュニケーション手法については、下記著書もご参考ください。

■ ヒアリングでの無意識な発言から得る気づき

人間は、かなりの部分、脳内の“無意識”部分に支配された言動をとっているようです。

これは、最初期のコンサルティング業務におけるヒアリングを実施する際にも、留意しておいた方がよいかもしれません。あなたがコンサルタントだったり、会議で相手の話を聞く立場であったりしたなら、まずは試してみてください。相手がまず、どういう言葉から会話を始めるのか。

自分が置かれている状況説明から始まるかもしれません。また、自分が不平不満を持っていることについて、自分がどう思っているのか、抱いている“感情”や“見解”について説明が始まるかもしれません。

人は、大抵の場合、順序だてて話すことより、大事なことから順に話すことが多いようです。後に続く言葉は、先に提示した懸案についての、後付けの理由付けだったり、補強材料だったりします。もし、順序だてて話されていて、結論が一番最後であったとしても、このことを頭の中にいれてから、人の話を聞くメリットは十分にあるでしょう。

なぜなら、結論が一番最後にくる場合でも、その一番最初の出だしが、その人が抱いている問題意識だったり、そもそもの語られるべき課題の前提条件になっていたりすることが多いからです。

上記の例ならば、環境の整備から着手すべきなのか、クライアントの不平・不満を直接的に解消することを優先すべきなのか、という情報を瞬時に得ることができます。

何事も、一番最初が肝心。そういうことかもしれません。

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