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そうか、君は課長になったのか。(3)高い「志」が人を動かす

本レビュー
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■ スキルだけでは課長は務まらない

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

課長は、熟達したビジネスパーソンが高いスキルを持っているゆえに、その仕事力を認められて管理職に就くことから与えられるポジションなのですが、、、

課長になるにあたって、なにより大事なことは「志」をもつことです。
世の中には、仕事を効率的に進める手法や役立つ経験談などがあふれています。
それはそれで役に立つし参考になりますが、その知識がいきるもいきないも、すべてその人がもつ「志」次第だと私は考えています。

佐々木さんによると、「志」とは、
① たった一度の人生で何をしたいのか
② どのような人間になりたいのか
③ どのように生きたいのか

その「志」さえ高く持つことができれば、「スキル」など後からついてくるのだそうです。あなたが、仕事上の「スキル」を身に着ける時は一体どういうときでしょうか? 同僚が仕事で困っている時にどうしたら助けてあげられるか、チームの仕事量が急に増えたり、突発的な仕事が舞い込んで納期に追い立てられたり、仕事を依頼して下さったお客様が本当に困っている姿をまざまざと目にしたりとか、どうにかしなくちゃ、困っている人を助けてあげなきゃ、と気持ちが先に動いたとき、自分の仕事力が高まるのではないでしょうか。

実は、私が初めて課長になったとき、自分のスキルを高め、部下にそれを叩き込むことばかり考えていました。(途中略)なぜ、自分が思うように成果が出せないのか、思ったようにことが運ばないのか―――。悩んだ時期でもありました。
そして、あるとき気づいたのです。部下を動かすのはスキルじゃない。部下の心を動かす高い「志」と「パッション」をもたなければ、誰も付いてきてくれないのだということに……。

部下に仕事を教え込むときも、相手の立場になって考えて見ましょう。仕事を教わっている方の部下は、本当にその仕事のスキルを高めたいと感じているのかどうか。「考えている」のかより、「感じている」のか、という点の方が重要! 気持ちが入っている方が、何事も身に着きやすいのは道理ですよね。

課長とは人を動かすのが仕事です。課の仕事をきちんとやり遂げるために、上司を動かし、関係部署を動かし、取引先を動かす。しかし、「自分の出世のため、自分の利益のため」という思いから人を動かそうとしても、周りは決して動いてくれません。
 部下もそうです。人は誰でも、自分の仕事が、課全体の役に立ち、会社全体の役に立ち、社会全体の役に立つことがなければ、本心からやる気を起こすことはありません。また、課長である私が、部下の成長や幸せのために本気で指導に当たっているということが伝わらなければ、決して本当の意味で味方になってくれることはないのです。

私も、部下(コンサルティングファーム所属なので、単に「プロジェクトメンバ」と考えていますが)に仕事を教える時には、以下3つの鼎立を必ず心掛けています。

(1)本当にお客様の役に立つサービスが提供できるようになること
(2)その仕事を教わったメンバが次の機会に自分の武器として使えるようになること
(3)結果として、私が責任を持つプロジェクトが成功すること

この順番にも意味があって、仕事を教える順番や内容の精査は、まず(1)を満たすことを最優先にして選びます。そして言い古されたセリフですが、「Win-Win」「三方よし」の精神でメンバの教育にいそしみ、メンバの仕事の優先順位を指示します。

「仕事」を教わる相手の意識も、なんとなく私には伝わってきます。本当にお客様の役に立ちたいから、私の指導を受けているのか、私の経験とスキルを盗んで、目の前のお客様に対して自分の手柄を誇りたいのか。でもね、支障がない限り、それは気にしないようにしています。

『クライアントファースト』

私の信条は、お客様第一ですから。誰の手柄でもいいんです、お客様が本当に喜んでくださるのなら。だって、お客様からすれば、私の仕事力と同レベルの若手メンバがもう一人増えたら、純粋に助かる訳じゃないですか。この気持ちを強くした以降は、出し惜しみなんてしたことがありません。「お天道様」や「神様」は必ず見ています。ひとつの大仕事をやり遂げるのに、誰がどれだけ貢献しているか、自然と分かる人には分かるのです。いいじゃありませんか、高い「志」をもっている人(客や上司)にだけ評価してもらっていれば。自分の貢献度をわざわざ誇示することもなく、自分自身も高い「志」だけを守って仕事をしていれば、なにも苦にはなりません。

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