■ 敵の実力を発揮させない。自社の実力を発揮できる土俵で戦う!
断崖絶壁にはさまれた谷間で行動中に、①天然の井戸、②天然の穴倉、③天然の仕掛け網、④天然の落とし穴、⑤天然の切り通しなどに遭遇したときは、必ず、すばやくそこから離脱して、接近してはいけません。自軍はそこから遠ざかりながら、敵軍にはそこに近づくように仕向けましょう。自軍はそれに対向しながら、敵軍にはそれを背にするように仕向けましょう。
—————–
5つの自軍にとって不利になる地形、
①険阻(けんそ)
②潢井(こうせい)
③葭筐(かい)
④小林
⑤翳懀(えいわい)
にはまり込むと、身動きがとれず、隊列も寸断されて、必ずや苦戦に陥ります。そこで、これらの地形に出会う可能性の高い、険しい谷間を行軍する場合は、斥候をたてて、これらの存在をいちはやく察知しなければなりません。
そのうえで、敵軍が先にそこを通過して自軍の正面に出る形か、あるいは自軍がそこを回り込んで回避運動をしながら、敵をそこに追いやる形で、敵の側がこれらの地形を背負って戦う羽目になるように仕向けます。
現代ビジネスに置き換えるなら、
1.資金をつぎ込んでもモノにならない開発競争や価格競争に相手を引きずり込む
2.そもそも自社のシェアや顧客支持が高い市場で戦いを仕掛ける
という戦い方をする、というものになりますでしょうか?
実際には、提案型営業で、既存顧客とのリレーションが強固で崩される恐れはないと実感と自信がある場合、あえて競合他社との相見積りを顧客に勧めます。当然、半分出来レースみたいなもので、顧客に最も遡及するポイントは自社がすでに押さえているので、他社が営業努力に時間と金をどれだけつぎ込ましても、最後には自社が受注を獲得することができます。これを繰り返し繰り返し、競合に仕掛けると、相手のプリセールス部隊が疲弊していきます。その上で、もしかすると、競合が別の顧客の注文を獲得することも妨害することができます(有望な提案機会を奪ってしまうのです)。
マスマーケットのBtoCだけでなく、BtoBの個別受注案件型ビジネスでもこういう戦い方があります。でも、やりすぎると「策士、策に溺れる」で、お得意様を失ったり、安易な値引き交渉の材料に使われかねないので、こういう策を用いる場合には、自社と顧客のリレーションの強さを今一度確認されることをお勧めします。(^^;)
コメント