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■ 生産現場が変わる! 働き方が変わる!

経営管理会計トピック

前回」は、通信キャリアも「ビッグデータ」「IoT」という金鉱を目の前にして、どう儲けるか、虎視眈々と狙いを「IoT & クラウド」に定めている、というお話でした。今回は、生産現場(工場や建築・土木現場)におけるワーカーの働き方の変化についてのお話です。

(今回の投稿は、引用部分が比較的多くなります。最初にお断りしておきます)

まずは、建築・土木現場のお話から。

2015/6/18|日本経済新聞|朝刊 コマツ SMART CONSTRUCTION 全面広告(20面、21面)- 広告紙面は電子版では紙面ビューワーの方で確認してください。

「「巨大な階段」ではない。ここ茨城県の利根川沿岸で行われているのは、水害から人々の暮らしを守るための工事。堤防の幅を広げ、強化するための工事である。堤防強化工事としては極めて標準的なもの。しかし、このごく普通の風景の中に、実は、「現場の未来」が隠されている。
 階段状にする工程を、専門用語では「段切り」と呼ぶ。段々畑のように切り取られた土台の上に、地層をつくるように土を盛り固めていく。そうすることで、地滑りを起こさない強固な堤防を作ることができる。現場で汗を流していたのは、油圧ショベルKOMATSU PC200i。黄色い腕を器用に動かし、刃先を直角に土の中に入れる。決められた深さまで、均一に土を掘る。ぐいっと力を込めると、一気に土をかきだす。直角に。均一に。そこに、この作業の難しさがある。ベテランの熟練オペレーターでなければ、なかなかこなせない仕事である。

PC200i-300x225
 「実は、あのオペレーターは、経験1年ほどです。それだけ聞けば、ビックリする人もいるかもしれない」。そう教えてくれたのは、現場の責任者だった。そして、こう続けた。「ビックリすることが、もう一つ。測量の時の丁張りをしていないんですよ、この現場」。建設工事に詳しくない人でも、測量は知っているだろう。地形を測り、どの部分をどこまで掘るかを決める。設計図通りに工事をするための目印として、丁張りは絶対に必要な作業だ。「経験1年のオペレーター」。「丁張りをしない現場」。二つの非常識の秘密は、一台の新しいコマツにあった。
 このコマツ、見た目は、普通の油圧ショベルと変わらない。しかし、中身は、最新のICT技術を駆使し、インテリジェントマシンコントロールを実現したICT油圧ショベルなのだ。作業の前に、3Dの設計データを読み込ませる。GNSS(グローバル衛星測位システム)による位置情報とアーム制御システムにより、図面通りに仕上げていく。オペレーターは、いままでのような複雑なレバー操作をしなくていい。機械が掘削する場所を決め、深さを均一にし、仕上げの整地まで、ほぼ自動で仕事をしてくれる。だから、ほぼ自動で仕事をしてくれる。だから、丁張りがいらない。だから、経験が浅いオペレーターでも、精度の高い仕事ができる。作業状況は、現場から離れたオフィスにいても、インターネットで確認することができ、すべてのデータが一元管理される。
 熟練オペレーターの高齢化、人手不足。それは、建設業界が抱えている課題である。短い工期で、精度の高い仕事を、しかも安全に。現場に関わる人ならだれもが願うことである。そんな現場の課題や願いに、コマツは、新しいソリューション「スマートコンストラクション」で応えようとしている。その一部を担うのが、ICT建設機械なのだ。「いままで当たり前だと思っていた作業工程や作業時間が、変わりました。一台の機械で、現場の働き方そのものが変わったのかもしれない」。作業を見守りながらつぶやいた現場の方の言葉が、印象的だった。現場に、未来が、やってきている。しかし、ここは、まだゴールではない。建設の現場で汗を流す人たちといっしょに、未来の現場をつくっていこうと思う。

ひとのための道具だから。
社会のための道具だから。」

すみません。長々と全面広告の文面を引用してしまって。でも、却って、建設現場における課題とコマツがどうやって課題解決のソリューションを提供しようとしているか、ビビッドにお分かりいただけたのではないでしょうか。

コマツの「スマートコンストラクション」は、ホームページでも内容を確認することができます。

⇒「現場に、未来がやってくる。SMART CONSTRUCTION

■ 課題は何? 解決方法はどうやるの?

まず、課題解決型のビジネスを実践する場合には、「課題は何?(What?)」「その解決策は?(How?)」を明らかにします。

今回の建設現場での課題は、
① 熟練工の不足
② 現場ごとの経験知が次の現場に活かされる正のサイクルが回らない
③ 工期の長期化
④ より高精細な設計・施工技術の発揮
と考えられます。4つもあげましたが、結局、すべて現場を熟知している熟練工の頭の中に収まっている「暗黙知」でこれらの課題は、現場での貴重な勘と経験で解決されてきたものです。しかしながら、その貴重な熟練工がいなくなっている。。。

とすれば、熟練工を増やす・育成するという本道での対処策もあるでしょうが、別の解決策はないものか?コマツはそれを考え抜きました。

まず、3Dスキャナ、無人ヘリ(ドローン)を用いて、現場を人間がやるより高精細に3次元データ化。そのデータを使って、クラウドサービス「KomConnect」で施工数量を自動計算。そこから、最適な施工方法を提案します。

次に、施工中は、ICT建機による出来形・出来高のリアルタイム監視、GPS・現場カメラを使用して、遠隔地(通信の先のセンターに高度な判断ができる技術者がいることが前提で)から現場の動態をチェック。少人数で複数の現場が管理監督できるメリットも。

そして、施工データはすべてデータセンタで一元管理され、次の現場での測量精度向上や最適施工提案に活用されます。

ここまで、いくつかのキーワードが出てきましたね。
「通信」:測量データや位置情報の共有、映像による監視やチェック
「クラウドサービス」:施工数量の自動計算や最適施工方法の提案
「ビッグデータ」:施工データの一元管理と有効活用
「IoT」:ICT建設機械(PC200i)

いつもの「IoT」と「ビッグデータ」によるビジネスモデルの4要素がすべて詰まっています。コマツのビジネスモデルの完成度には本当に脱帽です。

付言しておくと、この課題解決型ビジネスモデル。熟練工の不足は、少子高齢化に向かっている日本国内だけの問題ではありません。世界の建設現場、特に新興国でのインフラ整備の必要性と、それらの建設を許すだけの経済成長を遂げていることを考慮すれば、熟練工の不足、工期の短縮、精度の高い測量・施工管理は、世界至る所での課題でもあります。なにせ、すべては熟練工の頭の中になる暗黙知で何とかなっていた問題でしたから。

■ 補足として、位置情報提供ビジネスにも触れておきます

このままだと、コマツの宣伝記事としての投稿になりそうなので、コマツのビジネスモデルにおける中核的技術のひとつである「位置情報技術(GPSといった方が通りがいいかも)」の動向について簡単に触れておきます。

2015/6/24|日本経済新聞|電子版 (再興JAPAN)ドローンビジネスも制す 日本版「GPS」が始動

「日本発の位置情報が空のビジネスを制す――。誤差が数センチメートルの高性能な位置情報を提供する衛星の打ち上げ計画が日本で進んでいる。最近では無人の小型飛行機「ドローン」を使った宅配サービスの構想も登場しているが、商品を確実に届けるにはこの正確な位置情報が欠かせない。その使い道は農業やインフラなど幅広い分野に広がる可能性を秘めている。」

準天頂衛星の初号機「みちびき」のイメージ(三菱電機提供)

(日経電子版記事より:準天頂衛星の初号機「みちびき」のイメージ(三菱電機提供))

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

実は、位置情報システムとして多くのスマホに搭載されているのは全地球測位システム(GPS)という技術は、衛星からキャッチした電波を基に位置を把握します。しかし、現在の精度では、10メートル程度の誤差が生じる恐れがあります。しかも、

「GPSの機能は米国防総省が運用する約30基の人工衛星に頼っている。地球のほぼ全域をカバーし、場所によっては受信できないリスクを抱えながらも世界中の人々がその恩恵を受けている。しかし、もともとは軍事用に開発された衛星であり、有事の際は米国が意図的に位置情報の精度を落としたり、場合によっては使えなくしたりするリスクもある。」

ということなので、精度向上と安全保障上の問題で、日本政府としては、

「24年度までの10年間の宇宙政策の方針などを定めた新しい宇宙基本計画を決定した。これによると、23年度までに準天頂衛星を7基体制に拡充する」ことにしているのです。

さらに、記事によりますと、日本の技術の精度の高さを出すためのポイントが2つ語られています。これも記事引用から。

「日本の準天頂衛星の精度はなぜ高いのか。他国の衛星システムと異なり、米国のGPSと同じ周波数の信号を発信しているからだ。測位衛星は数が多ければ多いほど精度が高まる。準天頂衛星とGPSを一つの衛星群として扱うことで精度を高めているというわけだ。」

「さらに、日本には約1300カ所に正確な緯度や経度を指し示す電子基準点という装置がある。「電子基準点で受けた情報をもとに補正情報を作成し、地上の基地局を経由して準天頂衛星に補正情報を送り込むことで精度を一層高めることができる」

測量点を増やし、精度を高める。

衛星打ち上げ技術と、社会インフラとしての整備力、そしてなにより見返りとしての経済効果(同記事によると、2兆5000億円超)

・人手不足の農作業支援
・列車の運行管理
・洪水などの防災システム構築
・感染症のウイルス調査 など

日立造船やヤンマー、日立製作所が準天頂衛星「みちびき」を使い、豪でトラクターを無人走行させた

(日経電子版記事より:日立造船やヤンマー、日立製作所が準天頂衛星「みちびき」を使い、豪でトラクターを無人走行させた)

ちなみに、上記2兆5000億円という数字は、準天頂衛星がカバーする中国を除くアジア圏へのサービス提供分を含んでいます。なぜ中国を除くのかって? それは読者のご想像にお任せします。(^^;)

本記事冒頭で、「工場」と「建築・土木現場」と記述していましたが、「工場」のパートは、記事文字数から次回に回さざるを得ないようです。ご容赦ください。m(_ _)m

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ビッグデータとIOTのどこで儲けるか(4)http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭テクノロジーIOT,コマツ,ビッグデータ,三菱電機,日立造船,ヤンマー,日立製作所■ 生産現場が変わる! 働き方が変わる! 「前回」は、通信キャリアも「ビッグデータ」「IoT」という金鉱を目の前にして、どう儲けるか、虎視眈々と狙いを「IoT & クラウド」に定めている、というお話でした。今回は、生産現場(工場や建築・土木現場)におけるワーカーの働き方の変化についてのお話です。 (今回の投稿は、引用部分が比較的多くなります。最初にお断りしておきます) まずは、建築・土木現場のお話から。 2015/6/18|日本経済新聞|朝刊 コマツ SMART CONSTRUCTION 全面広告(20面、21面)- 広告紙面は電子版では紙面ビューワーの方で確認してください。 「「巨大な階段」ではない。ここ茨城県の利根川沿岸で行われているのは、水害から人々の暮らしを守るための工事。堤防の幅を広げ、強化するための工事である。堤防強化工事としては極めて標準的なもの。しかし、このごく普通の風景の中に、実は、「現場の未来」が隠されている。  階段状にする工程を、専門用語では「段切り」と呼ぶ。段々畑のように切り取られた土台の上に、地層をつくるように土を盛り固めていく。そうすることで、地滑りを起こさない強固な堤防を作ることができる。現場で汗を流していたのは、油圧ショベルKOMATSU PC200i。黄色い腕を器用に動かし、刃先を直角に土の中に入れる。決められた深さまで、均一に土を掘る。ぐいっと力を込めると、一気に土をかきだす。直角に。均一に。そこに、この作業の難しさがある。ベテランの熟練オペレーターでなければ、なかなかこなせない仕事である。  「実は、あのオペレーターは、経験1年ほどです。それだけ聞けば、ビックリする人もいるかもしれない」。そう教えてくれたのは、現場の責任者だった。そして、こう続けた。「ビックリすることが、もう一つ。測量の時の丁張りをしていないんですよ、この現場」。建設工事に詳しくない人でも、測量は知っているだろう。地形を測り、どの部分をどこまで掘るかを決める。設計図通りに工事をするための目印として、丁張りは絶対に必要な作業だ。「経験1年のオペレーター」。「丁張りをしない現場」。二つの非常識の秘密は、一台の新しいコマツにあった。  このコマツ、見た目は、普通の油圧ショベルと変わらない。しかし、中身は、最新のICT技術を駆使し、インテリジェントマシンコントロールを実現したICT油圧ショベルなのだ。作業の前に、3Dの設計データを読み込ませる。GNSS(グローバル衛星測位システム)による位置情報とアーム制御システムにより、図面通りに仕上げていく。オペレーターは、いままでのような複雑なレバー操作をしなくていい。機械が掘削する場所を決め、深さを均一にし、仕上げの整地まで、ほぼ自動で仕事をしてくれる。だから、ほぼ自動で仕事をしてくれる。だから、丁張りがいらない。だから、経験が浅いオペレーターでも、精度の高い仕事ができる。作業状況は、現場から離れたオフィスにいても、インターネットで確認することができ、すべてのデータが一元管理される。  熟練オペレーターの高齢化、人手不足。それは、建設業界が抱えている課題である。短い工期で、精度の高い仕事を、しかも安全に。現場に関わる人ならだれもが願うことである。そんな現場の課題や願いに、コマツは、新しいソリューション「スマートコンストラクション」で応えようとしている。その一部を担うのが、ICT建設機械なのだ。「いままで当たり前だと思っていた作業工程や作業時間が、変わりました。一台の機械で、現場の働き方そのものが変わったのかもしれない」。作業を見守りながらつぶやいた現場の方の言葉が、印象的だった。現場に、未来が、やってきている。しかし、ここは、まだゴールではない。建設の現場で汗を流す人たちといっしょに、未来の現場をつくっていこうと思う。 ひとのための道具だから。 社会のための道具だから。」 すみません。長々と全面広告の文面を引用してしまって。でも、却って、建設現場における課題とコマツがどうやって課題解決のソリューションを提供しようとしているか、ビビッドにお分かりいただけたのではないでしょうか。 コマツの「スマートコンストラクション」は、ホームページでも内容を確認することができます。 ⇒「現場に、未来がやってくる。SMART CONSTRUCTION」 ■ 課題は何? 解決方法はどうやるの? まず、課題解決型のビジネスを実践する場合には、「課題は何?(What?)」「その解決策は?(How?)」を明らかにします。 今回の建設現場での課題は、 ① 熟練工の不足 ② 現場ごとの経験知が次の現場に活かされる正のサイクルが回らない ③ 工期の長期化 ④ より高精細な設計・施工技術の発揮 と考えられます。4つもあげましたが、結局、すべて現場を熟知している熟練工の頭の中に収まっている「暗黙知」でこれらの課題は、現場での貴重な勘と経験で解決されてきたものです。しかしながら、その貴重な熟練工がいなくなっている。。。 とすれば、熟練工を増やす・育成するという本道での対処策もあるでしょうが、別の解決策はないものか?コマツはそれを考え抜きました。 まず、3Dスキャナ、無人ヘリ(ドローン)を用いて、現場を人間がやるより高精細に3次元データ化。そのデータを使って、クラウドサービス「KomConnect」で施工数量を自動計算。そこから、最適な施工方法を提案します。 次に、施工中は、ICT建機による出来形・出来高のリアルタイム監視、GPS・現場カメラを使用して、遠隔地(通信の先のセンターに高度な判断ができる技術者がいることが前提で)から現場の動態をチェック。少人数で複数の現場が管理監督できるメリットも。 そして、施工データはすべてデータセンタで一元管理され、次の現場での測量精度向上や最適施工提案に活用されます。 ここまで、いくつかのキーワードが出てきましたね。 「通信」:測量データや位置情報の共有、映像による監視やチェック 「クラウドサービス」:施工数量の自動計算や最適施工方法の提案 「ビッグデータ」:施工データの一元管理と有効活用 「IoT」:ICT建設機械(PC200i) いつもの「IoT」と「ビッグデータ」によるビジネスモデルの4要素がすべて詰まっています。コマツのビジネスモデルの完成度には本当に脱帽です。 付言しておくと、この課題解決型ビジネスモデル。熟練工の不足は、少子高齢化に向かっている日本国内だけの問題ではありません。世界の建設現場、特に新興国でのインフラ整備の必要性と、それらの建設を許すだけの経済成長を遂げていることを考慮すれば、熟練工の不足、工期の短縮、精度の高い測量・施工管理は、世界至る所での課題でもあります。なにせ、すべては熟練工の頭の中になる暗黙知で何とかなっていた問題でしたから。 ■ 補足として、位置情報提供ビジネスにも触れておきます このままだと、コマツの宣伝記事としての投稿になりそうなので、コマツのビジネスモデルにおける中核的技術のひとつである「位置情報技術(GPSといった方が通りがいいかも)」の動向について簡単に触れておきます。 2015/6/24|日本経済新聞|電子版 (再興JAPAN)ドローンビジネスも制す 日本版「GPS」が始動 「日本発の位置情報が空のビジネスを制す――。誤差が数センチメートルの高性能な位置情報を提供する衛星の打ち上げ計画が日本で進んでいる。最近では無人の小型飛行機「ドローン」を使った宅配サービスの構想も登場しているが、商品を確実に届けるにはこの正確な位置情報が欠かせない。その使い道は農業やインフラなど幅広い分野に広がる可能性を秘めている。」 (日経電子版記事より:準天頂衛星の初号機「みちびき」のイメージ(三菱電機提供)) (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 実は、位置情報システムとして多くのスマホに搭載されているのは全地球測位システム(GPS)という技術は、衛星からキャッチした電波を基に位置を把握します。しかし、現在の精度では、10メートル程度の誤差が生じる恐れがあります。しかも、 「GPSの機能は米国防総省が運用する約30基の人工衛星に頼っている。地球のほぼ全域をカバーし、場所によっては受信できないリスクを抱えながらも世界中の人々がその恩恵を受けている。しかし、もともとは軍事用に開発された衛星であり、有事の際は米国が意図的に位置情報の精度を落としたり、場合によっては使えなくしたりするリスクもある。」 ということなので、精度向上と安全保障上の問題で、日本政府としては、 「24年度までの10年間の宇宙政策の方針などを定めた新しい宇宙基本計画を決定した。これによると、23年度までに準天頂衛星を7基体制に拡充する」ことにしているのです。 さらに、記事によりますと、日本の技術の精度の高さを出すためのポイントが2つ語られています。これも記事引用から。 「日本の準天頂衛星の精度はなぜ高いのか。他国の衛星システムと異なり、米国のGPSと同じ周波数の信号を発信しているからだ。測位衛星は数が多ければ多いほど精度が高まる。準天頂衛星とGPSを一つの衛星群として扱うことで精度を高めているというわけだ。」 「さらに、日本には約1300カ所に正確な緯度や経度を指し示す電子基準点という装置がある。「電子基準点で受けた情報をもとに補正情報を作成し、地上の基地局を経由して準天頂衛星に補正情報を送り込むことで精度を一層高めることができる」 測量点を増やし、精度を高める。 衛星打ち上げ技術と、社会インフラとしての整備力、そしてなにより見返りとしての経済効果(同記事によると、2兆5000億円超) ・人手不足の農作業支援 ・列車の運行管理 ・洪水などの防災システム構築 ・感染症のウイルス調査 など (日経電子版記事より:日立造船やヤンマー、日立製作所が準天頂衛星「みちびき」を使い、豪でトラクターを無人走行させた) ちなみに、上記2兆5000億円という数字は、準天頂衛星がカバーする中国を除くアジア圏へのサービス提供分を含んでいます。なぜ中国を除くのかって? それは読者のご想像にお任せします。(^^;) 本記事冒頭で、「工場」と「建築・土木現場」と記述していましたが、「工場」のパートは、記事文字数から次回に回さざるを得ないようです。ご容赦ください。m(_ _)m現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します