Pocket

■ AIが膨大なビッグデータを瞬時に解析して、正しい経営判断を提案します!

経営管理会計トピック

いきなり、「ルワンダにオフィスを設けたらどうか」という提案を出すAIの紹介から始まるこの記事。企業内にとどまらず、社会全体を統治するAIの登場を予期させるSF風な書き出しでしたが、落ち着いて意味を読み解いていきたいと思います。

2016/5/17付 |日本経済新聞|朝刊 (新産業創世記)「土俵」が変わる(1)AI社長の下で働けますか 決断が人の役割

「「ルワンダにオフィスを設けたらどうか」。昨日の取締役会でワタシはこう提案した。世界中から集めたデータを分析すると、中期的に建設ブームに沸く可能性が高いのはアフリカ中部のこの国だったからだ
 申し遅れたが、ワタシは人工知能(AI)。建設機械を扱う当社の社長を任されている。数年前にAIが韓国の世界トップ級棋士に勝って人々を驚かせたが、今ではウチのような中堅企業でもAIが経営にかかわる
 指数関数的なスピードで賢さを増すAI。こんな「AI社長」の登場も絵空事と言い切れない」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

こういうAIに経営判断をさせたい、という取り組みで現時点でマスコミへの露出が多いのは、IBMと日立製作所です。今回は、日立が中心のお話し。

「日立製作所は経営判断にAIを生かせないかと真剣に考えている。開発するのは経営会議で諮る議題を文字入力すると過去の新聞記事や社内データを分析し、判断材料を提示するシステムだ。実用化の目標は2019年。顧客の関心は高く、「10社以上から問い合わせがある」と柳井孝介・主任研究員(37)は話す。」

同記事では、AIを使った現実のビジネスの変革の予兆が2つの事例で紹介されています。

(1)セキュリティ保護 検知精度99.5%
「東京都港区にあるNTTコミュニケーションズの施設。同社のネットワークサービスを利用する4千社以上の顧客をサイバー攻撃から守る中枢機関では1年前から業務の一部をAIが担う。
 コンピューターウイルスをまき散らすサイトはないか。80人の社員が蓄積したデータを学んだAIは「悪性サイト」を99.5%の精度で検知する。「私たちはより高度なシステムの開発に専念できる」。“同僚”の英敏秀氏(43)は話す。」

(下記は同記事添付の、「AIがサイバー攻撃に目を光らせる」のイメージ画像を転載)

20160517_AIがサイバー攻撃に目を光らせる_日本経済新聞朝刊

(2)人事管理 統計分析で人選
「ワタシは大量のデータから特徴を自分で見つけ判断できる。「深層学習」と呼ぶ技術の進化がワタシを賢くさせる
 技術者派遣大手のフォーラムエンジニアリング(東京・港)は数千人の技術者情報から顧客が求める人材を選び出すシステムにAIを応用する。「AIなら統計分析を踏まえて冷静に判断してもらえる」と竹内政博取締役(48)は期待する。」

この種のマッチングビジネスにAI活用するという記事は、ここ2か月で10本以上出ています。全てのスキル、性格、職歴などのパラメータをデータ化して、統計処理できれば、という限定条件付きですが、膨大なデータ処理を得意とするコンピュータ(AI)とは別のアプローチで、生身の人間であるエージェントでしかない最良のマッチングする手法を編み出さないといけませんね。

⇒「IBMワトソン追い越せ 日立、AIで経営判断
⇒「日立、研究費に年5000億円 16~18年度3割増、人工知能やロボ開発
⇒「日本IBM、「ワトソン」分析をクラウドで提供 人工知能に質問、答え導く

■ 一旦小休止 AI活用が伸びていく分野とは!?

ここで同日の「新産業創世記」の続き記事で未来予測を垣間見てみましょう。

2016/5/17付 |日本経済新聞|朝刊 (新産業創世記)AI市場 15年で23倍 運輸や小売り有望

「人工知能(AI)の活用は産業界でどこまで進むのか。シンクタンクのEY総合研究所(東京・千代田)はAI関連の国内市場規模は2030年に86兆9620億円と、15年の23倍に拡大すると予測する。現在もインターネット通販などで利用者の好みに応じて商品を薦めるサービスなどでAIが使われ始めているが、AIが賢くなるにつれて活用分野は大きく広がる。」

(下記は、同記事添付のAI関連の国内市場規模の予想グラフを転載)

20160517_AI活用は運輸分野で急拡大する_日本経済新聞朝刊

同記事で市場拡大の余地が大きく目立つのが「運輸分野」。30年に30兆円と分野別で最も大きくなります。グーグルやトヨタなどビッグネームがしのぎを削る領域ですが、AI技術を核とする自動運転が実現し、人手不足に悩むトラック輸送での利用が進むと見られているからです。既に、公道での社会実験が実現していますし、かなり実現性は高いでしょう。

もうひとつ、卸売り・小売り分野も成長市場とみられています。ネット通販などでの利用者への商品推奨機能が強化されることで利用が進み、30年に15兆円を超える市場になると予想。そして賢いロボットが生産現場に入り込む製造分野は12兆円市場になると予測されており、これが御三家といった感じ。

記事は、
「人間が見落としたことに気づいたり、膨大なデータを分析したりする。そんなAIを生かして新たな商品やサービスを作り出すことができれば、競合との差異化につなげられる。企業の競争力をAIが左右する時代は確実に迫っている。」

と、AIの可能性について漠然と語って締められていますが、なぜAIがこの分野での活用が進むのか、AI自身の得意なことをきちんと整理して理解を進める必要があります。

2016/5/11付 |日本経済新聞|電子版 「ヒト・データ・キカイ」 AI時代の経営資源 ヤフーの安宅和人チーフストラテジーオフィサー(CSO)

「AIは単独ではなく、膨大な量のビッグデータと組み合わせることで大きな意味が出てきます。『AI×データ』で生み出される用途は『識別』『予測』『実行』の3つです。

『識別』は機械がものすごく得意とする分野です。写真や動画から物体を識別するといったもので、囲碁の局面を読むのもそうです。データさえ与えれば、信じられない早さで正確に処理します。大量のカメラからリアルタイムで送られてきた映像を分析して挙動不審な人を検出したり、銀行で送金や決済のデータから詐欺を発見したりするといった応用ができます

『予測』も、すでに多くの場所で使われています。代表的なのが、キーワード検索で候補の文字列が出てくるアシスト機能や、広告のマッチング機能です。金融機関が数値を分析して、この人は破産する可能性が高いといった予測もできます

3つめの『実行』は、手の動きなど行動を自動化する用途です。工場で使われる組み立て作業や、病院で手術をするロボットなどです。映画の『スター・ウォーズ』ではロボットが手術しています。ミクロン単位の手術のような、人間の医者では神の手といわれるような動きは、機械にやってもらうのがいいわけです」

(下記は、同記事添付のインタビューに答えてくれたヤフーCSOの安宅和人の写真を転載)

20160510_安宅和人_日本経済新聞

例えば、自動運転だと、路面状況を画像等のセンサーで認識して、より安全な動線を予測し、精密なハンドル・ブレーキ捌きで自動車を制御する。安宅氏の指摘する3条件を全てかね揃えたビジネス要件。こういう観点をパッと示して頂けると、筆者みたいな素人でも考察を進めるヒントにできて重宝させて頂けます。感謝。

 

■ 日立が目指す経営判断をしてしまうAIとは?

話を日立のAIに戻します。

日経ビジネスONLINE
ここまでできた! 経営判断を下す日立のAI 宗像 誠之 2016/5/10

「日立製作所は企業の経営判断をサポートするAIを開発している。経営上のテーマを打ち込むと、そのテーマに関する1000万件もの情報をネットからかき集めて分析し、わずか80秒程度で回答を出してくれる。そのメカニズムの詳細や今後の課題を紹介する。」

(下記は同記事添付の、経営者用のAIのイメージ画像を転載)

20160510_日立製作所が開発を進めている、経営者用の人工知能(AI)の画面イメージ_日経ビジネス

同記事では、日立が現在開発中の経営判断AIの概要・特徴を次のように説明しています。

まず、活用シーンの説明から。
「「我が社は東南アジア市場に参入すべきか?」──。
このような経営上のテーマをAIに打ち込むと瞬時に、ネット上で新聞記事や調査レポート、白書など1000万件程度の情報を収集開始する。約80秒後に結論が出た。
「我々は東南アジア市場に参入すべきです。その理由は三つあります。一つは…」。
画面からは、合成された女性の声で返事が述べられていく。これは日立が開発している経営判断用AIのデモの様子。賛成・否定だけでなく、収集した情報を元に「賛成」という結論を出した複数の理由も論理的に説明してくれる。」

次に仕組みの説明になります。
「現在は約25台のサーバーで構成される同AIシステムは、パソコン画面から経営上のテーマを文字入力して使う。このAIのポイントは、日立が独自開発した「価値体系辞書」、「相関関係データベース(DB)」という2つの機能だ。」

ひとまず、日本語という自然言語をインプットして、言語処理をものすご~く早くて最適化してやってくれるという素人イメージを喚起させる説明です。

(1)価値体系辞書について
「収集する大量の文章を解析し賛成か反対かを判断するための機能。前述の「東南アジア市場に参入すべきか」という経営上のテーマに関する文章検索では、その賛否を判断できる情報が入っているかどうかを見つけ出す。」

(2)相関関係DBについて
「単語と単語の結びつきから文脈を解釈し、賛否の判断材料に使う。わずか80秒間程度で、大量の情報を集めてAIが判断材料を提示し、人間では到底不可能な客観性や中立性をもった意見を述べられる」

現在は英語での“会話”をベースに開発していますが、今年9月までに日本語対応が終わる予定とのこと。IBMのワトソン君の日本語化はソフトバンクと共同開発しているし、もう日本語で開発を進めているものと勝手に思っていました。筆者も、英語と違って、日本語の曖昧さが、ビジネス言語としてどうかと感じる時があります。でもね、それって、日本語の構文の問題というより、日本人のメンタリティの問題だと思うんです。匠の世界で技術を磨いて品質世界一で製造業をけん引してきた日本企業(日本語使いの働く人々)の会話の行間までAIが読めれば、日本型経営をAIに搭載できるものと。だから、その点で、IBMより日立を応援しているわけですが、そうですか、英語ですか。。。(^^;)

「自社の経営環境や財務状況など、各社固有の情報や経営課題も加味して意見を述べられるようにするなどの改良を続け、2~3年後の実用化を目指したいという。
これまで10社以上の顧客に同AIを紹介し反響が大きかったため、複数企業と共同で実証実験を始める計画。日立グループ内でも順次、試験的に利用をしていく方針だ。」

「大量のデータを分析したうえで、自社の競争優位性を見出せる機会がどこにあるのかを見つけたいという悩みを持っている経営者や経営幹部は数多い」。同AIを開発している日立の柳井孝介主任研究員は、このような経営判断をサポートするAIの需要は非常に大きいと考えている」

AIが本格導入される前に、AIが出した答えに対してきちんと最終判断できる経営者になりたいとは思いませんか? そのためには、AIが提供する答えとその根拠となる膨大なデータ解析結果の関係を理解しておく必要はあります。そのために、人間とコンピュータのインターフェースのひとつであるBI(Business Intelligence) を使いこなしておきたいですよね。そうしたAI支援経営管理時代の予行演習としてまず、貴社のBIを何とかしませんか。

AIの前にBI。少々面白い語呂合わせですが、BIなら、筆者に是非お声掛け下さい。この道20年のキャリアで貴社をサポートさせて頂きます。
(なんと、最後は流れでセールストークになってしまいました!!)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

(関連投稿)
⇒「健全な人工知能(AI)開発の進め方と「囲碁」AIの意外な弱点
⇒「人工知能で戦略組織 3省連携、企業と研究加速 -日本ならではの人工知能(AI)の開発戦略を考えてみる
⇒「日曜に考える(創論)ロボット普及が変える世界 -人工知能(AI)について
⇒「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る NHKスペシャル 2016年5月15日

(Visited 372 times, 1 visits today)
Pocket

(新産業創世記)「土俵」が変わる(1)AI社長の下で働けますか 決断が人の役割 - 経営判断を下す日立のAIhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭テクノロジーIBM,人工知能,AI,ビッグデータ,日立製作所,経営判断,安宅和人■ AIが膨大なビッグデータを瞬時に解析して、正しい経営判断を提案します! いきなり、「ルワンダにオフィスを設けたらどうか」という提案を出すAIの紹介から始まるこの記事。企業内にとどまらず、社会全体を統治するAIの登場を予期させるSF風な書き出しでしたが、落ち着いて意味を読み解いていきたいと思います。 2016/5/17付 |日本経済新聞|朝刊 (新産業創世記)「土俵」が変わる(1)AI社長の下で働けますか 決断が人の役割 「「ルワンダにオフィスを設けたらどうか」。昨日の取締役会でワタシはこう提案した。世界中から集めたデータを分析すると、中期的に建設ブームに沸く可能性が高いのはアフリカ中部のこの国だったからだ  申し遅れたが、ワタシは人工知能(AI)。建設機械を扱う当社の社長を任されている。数年前にAIが韓国の世界トップ級棋士に勝って人々を驚かせたが、今ではウチのような中堅企業でもAIが経営にかかわる  指数関数的なスピードで賢さを増すAI。こんな「AI社長」の登場も絵空事と言い切れない」 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます こういうAIに経営判断をさせたい、という取り組みで現時点でマスコミへの露出が多いのは、IBMと日立製作所です。今回は、日立が中心のお話し。 「日立製作所は経営判断にAIを生かせないかと真剣に考えている。開発するのは経営会議で諮る議題を文字入力すると過去の新聞記事や社内データを分析し、判断材料を提示するシステムだ。実用化の目標は2019年。顧客の関心は高く、「10社以上から問い合わせがある」と柳井孝介・主任研究員(37)は話す。」 同記事では、AIを使った現実のビジネスの変革の予兆が2つの事例で紹介されています。 (1)セキュリティ保護 検知精度99.5% 「東京都港区にあるNTTコミュニケーションズの施設。同社のネットワークサービスを利用する4千社以上の顧客をサイバー攻撃から守る中枢機関では1年前から業務の一部をAIが担う。  コンピューターウイルスをまき散らすサイトはないか。80人の社員が蓄積したデータを学んだAIは「悪性サイト」を99.5%の精度で検知する。「私たちはより高度なシステムの開発に専念できる」。“同僚”の英敏秀氏(43)は話す。」 (下記は同記事添付の、「AIがサイバー攻撃に目を光らせる」のイメージ画像を転載) (2)人事管理 統計分析で人選 「ワタシは大量のデータから特徴を自分で見つけ判断できる。「深層学習」と呼ぶ技術の進化がワタシを賢くさせる  技術者派遣大手のフォーラムエンジニアリング(東京・港)は数千人の技術者情報から顧客が求める人材を選び出すシステムにAIを応用する。「AIなら統計分析を踏まえて冷静に判断してもらえる」と竹内政博取締役(48)は期待する。」 この種のマッチングビジネスにAI活用するという記事は、ここ2か月で10本以上出ています。全てのスキル、性格、職歴などのパラメータをデータ化して、統計処理できれば、という限定条件付きですが、膨大なデータ処理を得意とするコンピュータ(AI)とは別のアプローチで、生身の人間であるエージェントでしかない最良のマッチングする手法を編み出さないといけませんね。 ⇒「IBMワトソン追い越せ 日立、AIで経営判断」 ⇒「日立、研究費に年5000億円 16~18年度3割増、人工知能やロボ開発」 ⇒「日本IBM、「ワトソン」分析をクラウドで提供 人工知能に質問、答え導く」 ■ 一旦小休止 AI活用が伸びていく分野とは!? ここで同日の「新産業創世記」の続き記事で未来予測を垣間見てみましょう。 2016/5/17付 |日本経済新聞|朝刊 (新産業創世記)AI市場 15年で23倍 運輸や小売り有望 「人工知能(AI)の活用は産業界でどこまで進むのか。シンクタンクのEY総合研究所(東京・千代田)はAI関連の国内市場規模は2030年に86兆9620億円と、15年の23倍に拡大すると予測する。現在もインターネット通販などで利用者の好みに応じて商品を薦めるサービスなどでAIが使われ始めているが、AIが賢くなるにつれて活用分野は大きく広がる。」 (下記は、同記事添付のAI関連の国内市場規模の予想グラフを転載) 同記事で市場拡大の余地が大きく目立つのが「運輸分野」。30年に30兆円と分野別で最も大きくなります。グーグルやトヨタなどビッグネームがしのぎを削る領域ですが、AI技術を核とする自動運転が実現し、人手不足に悩むトラック輸送での利用が進むと見られているからです。既に、公道での社会実験が実現していますし、かなり実現性は高いでしょう。 もうひとつ、卸売り・小売り分野も成長市場とみられています。ネット通販などでの利用者への商品推奨機能が強化されることで利用が進み、30年に15兆円を超える市場になると予想。そして賢いロボットが生産現場に入り込む製造分野は12兆円市場になると予測されており、これが御三家といった感じ。 記事は、 「人間が見落としたことに気づいたり、膨大なデータを分析したりする。そんなAIを生かして新たな商品やサービスを作り出すことができれば、競合との差異化につなげられる。企業の競争力をAIが左右する時代は確実に迫っている。」 と、AIの可能性について漠然と語って締められていますが、なぜAIがこの分野での活用が進むのか、AI自身の得意なことをきちんと整理して理解を進める必要があります。 2016/5/11付 |日本経済新聞|電子版 「ヒト・データ・キカイ」 AI時代の経営資源 ヤフーの安宅和人チーフストラテジーオフィサー(CSO) 「AIは単独ではなく、膨大な量のビッグデータと組み合わせることで大きな意味が出てきます。『AI×データ』で生み出される用途は『識別』『予測』『実行』の3つです。 『識別』は機械がものすごく得意とする分野です。写真や動画から物体を識別するといったもので、囲碁の局面を読むのもそうです。データさえ与えれば、信じられない早さで正確に処理します。大量のカメラからリアルタイムで送られてきた映像を分析して挙動不審な人を検出したり、銀行で送金や決済のデータから詐欺を発見したりするといった応用ができます 『予測』も、すでに多くの場所で使われています。代表的なのが、キーワード検索で候補の文字列が出てくるアシスト機能や、広告のマッチング機能です。金融機関が数値を分析して、この人は破産する可能性が高いといった予測もできます 3つめの『実行』は、手の動きなど行動を自動化する用途です。工場で使われる組み立て作業や、病院で手術をするロボットなどです。映画の『スター・ウォーズ』ではロボットが手術しています。ミクロン単位の手術のような、人間の医者では神の手といわれるような動きは、機械にやってもらうのがいいわけです」 (下記は、同記事添付のインタビューに答えてくれたヤフーCSOの安宅和人の写真を転載) 例えば、自動運転だと、路面状況を画像等のセンサーで認識して、より安全な動線を予測し、精密なハンドル・ブレーキ捌きで自動車を制御する。安宅氏の指摘する3条件を全てかね揃えたビジネス要件。こういう観点をパッと示して頂けると、筆者みたいな素人でも考察を進めるヒントにできて重宝させて頂けます。感謝。   ■ 日立が目指す経営判断をしてしまうAIとは? 話を日立のAIに戻します。 日経ビジネスONLINE ここまでできた! 経営判断を下す日立のAI 宗像 誠之 2016/5/10 「日立製作所は企業の経営判断をサポートするAIを開発している。経営上のテーマを打ち込むと、そのテーマに関する1000万件もの情報をネットからかき集めて分析し、わずか80秒程度で回答を出してくれる。そのメカニズムの詳細や今後の課題を紹介する。」 (下記は同記事添付の、経営者用のAIのイメージ画像を転載) 同記事では、日立が現在開発中の経営判断AIの概要・特徴を次のように説明しています。 まず、活用シーンの説明から。 「「我が社は東南アジア市場に参入すべきか?」──。 このような経営上のテーマをAIに打ち込むと瞬時に、ネット上で新聞記事や調査レポート、白書など1000万件程度の情報を収集開始する。約80秒後に結論が出た。 「我々は東南アジア市場に参入すべきです。その理由は三つあります。一つは…」。 画面からは、合成された女性の声で返事が述べられていく。これは日立が開発している経営判断用AIのデモの様子。賛成・否定だけでなく、収集した情報を元に「賛成」という結論を出した複数の理由も論理的に説明してくれる。」 次に仕組みの説明になります。 「現在は約25台のサーバーで構成される同AIシステムは、パソコン画面から経営上のテーマを文字入力して使う。このAIのポイントは、日立が独自開発した「価値体系辞書」、「相関関係データベース(DB)」という2つの機能だ。」 ひとまず、日本語という自然言語をインプットして、言語処理をものすご~く早くて最適化してやってくれるという素人イメージを喚起させる説明です。 (1)価値体系辞書について 「収集する大量の文章を解析し賛成か反対かを判断するための機能。前述の「東南アジア市場に参入すべきか」という経営上のテーマに関する文章検索では、その賛否を判断できる情報が入っているかどうかを見つけ出す。」 (2)相関関係DBについて 「単語と単語の結びつきから文脈を解釈し、賛否の判断材料に使う。わずか80秒間程度で、大量の情報を集めてAIが判断材料を提示し、人間では到底不可能な客観性や中立性をもった意見を述べられる」 現在は英語での“会話”をベースに開発していますが、今年9月までに日本語対応が終わる予定とのこと。IBMのワトソン君の日本語化はソフトバンクと共同開発しているし、もう日本語で開発を進めているものと勝手に思っていました。筆者も、英語と違って、日本語の曖昧さが、ビジネス言語としてどうかと感じる時があります。でもね、それって、日本語の構文の問題というより、日本人のメンタリティの問題だと思うんです。匠の世界で技術を磨いて品質世界一で製造業をけん引してきた日本企業(日本語使いの働く人々)の会話の行間までAIが読めれば、日本型経営をAIに搭載できるものと。だから、その点で、IBMより日立を応援しているわけですが、そうですか、英語ですか。。。(^^;) 「自社の経営環境や財務状況など、各社固有の情報や経営課題も加味して意見を述べられるようにするなどの改良を続け、2~3年後の実用化を目指したいという。 これまで10社以上の顧客に同AIを紹介し反響が大きかったため、複数企業と共同で実証実験を始める計画。日立グループ内でも順次、試験的に利用をしていく方針だ。」 「大量のデータを分析したうえで、自社の競争優位性を見出せる機会がどこにあるのかを見つけたいという悩みを持っている経営者や経営幹部は数多い」。同AIを開発している日立の柳井孝介主任研究員は、このような経営判断をサポートするAIの需要は非常に大きいと考えている」 AIが本格導入される前に、AIが出した答えに対してきちんと最終判断できる経営者になりたいとは思いませんか? そのためには、AIが提供する答えとその根拠となる膨大なデータ解析結果の関係を理解しておく必要はあります。そのために、人間とコンピュータのインターフェースのひとつであるBI(Business Intelligence) を使いこなしておきたいですよね。そうしたAI支援経営管理時代の予行演習としてまず、貴社のBIを何とかしませんか。 AIの前にBI。少々面白い語呂合わせですが、BIなら、筆者に是非お声掛け下さい。この道20年のキャリアで貴社をサポートさせて頂きます。 (なんと、最後は流れでセールストークになってしまいました!!) (注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。 (関連投稿) ⇒「健全な人工知能(AI)開発の進め方と「囲碁」AIの意外な弱点」 ⇒「人工知能で戦略組織 3省連携、企業と研究加速 -日本ならではの人工知能(AI)の開発戦略を考えてみる」 ⇒「日曜に考える(創論)ロボット普及が変える世界 -人工知能(AI)について」 ⇒「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る NHKスペシャル 2016年5月15日」現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します