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コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(17)大秘密第二番 - 自分で自分を治せるシステムを繰り返し治療していると、ついには自分を治せないシステムができる。

本レビュー
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■ 大秘密第二番

このシリーズは、G.W.ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、著者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、私のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページはこちら(英語)

前回の医学第一の秘密は、病気の90パーセントは自然治癒するというものでした。ワインバーグ氏の義兄、マービン医師からのお話はまだまだ続きます。マービン氏によると、医学の第二の秘密はペニシリンに関係するそうです。自然には治らない残りの10パーセントの病気のうちの、そのまた90パーセントはペニシリンなどのような抗生物質によってあっさり治癒してしまうそうです。

ここでまたお医者様の経済的な問題を解くために、抗生物質だけを投与すればよいというわけではなく、抗生物質は適切に投与されるべきであり、それ以外の医学的処置を施す余地があり、そこでたっぷりと稼ぐというわけです。

たとえば、単なる風邪の症状の患者にペニシリンを投与することは、マービンの大秘密第一番に反する行為になります。なぜなら、普通の風邪はペニシリンを投与せずとも、人体が自然治癒できる症状だからです。

単なる風邪にペニシリンを投与する行為は、風邪を治すという治療行為的には無意味ですが、患者の心理的な助けにはなるかもしれません。しかし、ペニシリンには、ペニシリンショックという生理的な副作用が起こる可能性があります。時には死に至るかもしれないペニシリンをいたずらに投与することは避けるべき行為でしょう。

そして、抗生物質に耐性を持ち、強く生き残るものが現れてきます。安易な抗生物質の投与は、そうした耐性菌を増加させる温床ともなり、本当にペニシリンが必要になった時に、効き目がなくなったりする可能性があるのです。

そしてこれが、マービンの医学の大秘密第二番によって立つ二つ目の秘密。

自分で自分を治せるシステムを繰り返し治療していると、ついには自分を治せないシステムができあがる。

これには、軽妙なワインバーグ氏の皮肉のスパイスがたっぷりの比喩が付いています。

五歳以上の子どもの鼻を拭いてやったことのある親のお尻、および同じ依頼主のために同じ問題を何度も何度も解いてやることによって生計を立てているコンサルタントのおでこには、この秘密を焼印で押しておくことが望ましい。

つまり一言で言うと、こういうこと!

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ

Give a man a fish and you feed him for a day; teach a man to fish and you feed him for a lifetime.

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