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迷える修正国際基準

経営管理会計トピック 実務で会計ルールをおさらい
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■ 何に抗っているのか、日本の会計当局

経営管理会計トピック

2014/9/5付|日本経済新聞|朝刊
「迷える修正国際基準」

日本では従来の「日本会計基準」「米国会計(SEC)基準」「IFRS」の3つに「修正国際基準」が新たに加わる動きが迷走しています。そもそもディスクロージャーは比較可能性を担保するために行われるもの。会社業績を測定する「ものさし」そのものが複数あると、投資家はどうやって企業価値を目利きするのでしょうか?

■ IFRS導入を加速したい企業

IFRS導入の賛否の議論において大変インパクトのある論点のひとつが「のれん」償却の有無です。経営者の立場からすれば、「自家創設のれん」の計上までは無理としても、企業買収時に発生するいわゆる「のれん」は償却せずに、買収時のプレミアムは十分発揮できるようにいい具合に経営するから利益を良く見せるためにのれん償却は勘弁して、ということのようです。
いずれにせよ、買収時のプレミアムが超過収益力とならなかった場合は、減損の対象になりますが、「期間損益が歪む」「保守主義の原則」を当局は気にしているのでしょう。
そうした当局の逡巡をよそに、既に企業は動いています。

2014/8/28付|日本経済新聞|朝刊
武田、「年2割の成長に」来期から3年間 コア利益5000億円へ

2014/9/3付|日本経済新聞|朝刊
アステラス、M&A2000億円 手元資金を活用 がん治療薬など拡充

上記の記事で、武田は「コア利益」、アステラスは「コア営業利益」という利益概念を公表しています。
株式投資をされている方、IRや管理会計の会計実務をなされている方、企業業績の見せ方と見方、どうぞ細心の注意を払ってください。

■ 「のれん」償却を何とかしたい医薬品業界

最後におまけです。2012年度で、医薬品業界は、総資産に占める「のれん」の割合が9.93%で、業界総額は1.13兆円にのぼっています。そりゃ、何とかしたくなるのが人情ですね。
ちなみに、
のれん計上額TOP3は、

  1. 医薬品
  2. 通信
  3. サービス

のれんの総資産に占める割合TOP3は、

  1. 医薬品
  2. 精密機器
  3. サービス

となっています。
以上のデータはここを参照(伊藤 邦雄 著「新・現代会計入門」P589)
通信などはNTTやソフトバンクがパッと頭に思い浮かびますが、さて皆さんはどうでしょうか?

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