■ 人間は自分が認知できる範囲内でしか意図的な行動はできない!
The human race is governed by its imagination.
人間は、その想像力によって支配される。
ダヴィッド『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』
(フランス帝国皇帝 / 1769~1821)
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最近流行っているデザイン理論などは、人間の無意識に訴えかけて、自然と広告効果や説明効果を狙ったものが数多く提唱されています。
アフォーダンス とか バイオフィリア効果など。
人間の本能的な脳認知学的なアプローチで、人の感情や感性や無意識に訴えて、こちら側の意図するように相手を誘導する方法論です。
これはお勧め!
しかしですね、そういうものも知識として仕入れてしまうと、無自覚に相手に誘導されることを防御できるだけでなく、こちらから誘導をしかけたりもできるようになります。
これは、知識として自覚してしまうと、その知識の範囲から起こりうる可能性のパターンやその帰結を脳内で想像し、事態の推移の予測できる効果によります。
ナポレオンの戦績から紐解くと、カスティリオーネの戦い (1796年)が有名。
カスティリオーネの戦い
(ヴィクトール・アダム画)
数に勝るオーストリア(ハプスブルグ)軍が、マントヴァ要塞奪回のために4つの縦隊が集結する前に、各個撃破で完勝したのが、ナポレオンが得意とした機動戦による各個撃破戦法です。
それまでは、クラウゼヴィッツ流の「分進合撃」:分散した部隊が集中するように機動・攻撃する方式が主流でした。これを傭兵団中心の錬度の低い軍隊の遅い行進を前提とした戦いから、錬度の高い常備軍を編成して、尋常でない行軍速度で敵軍が合撃する手前の分進の段階で、敵を殲滅するという戦法をナポレオンが見出して、得意技とし、アウステルリッツ三帝会戦での大勝利の背景ともなりました。
それまでの戦い方、軍隊の編成方針。その2つの改めて新しい戦い方で欧州大陸を席巻したナポレオンにこそ、冒頭の名言を放つにふさわしい傑物と言えましょう。(^^)
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