■ 誓ってもいない約束を果たす義務から解放される代償について
The best way to keep one’s word is not to give it.
約束を守る最上の方法は、決して約束しないことだ 。
ダヴィッド『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』
(フランス帝国皇帝 / 1769~1821)
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信義則からくる交友関係上の約束、仕事における、上司部下関係からくる作業指示上の約束、お客様との契約関係からくるお約束。プライベートでも仕事上でも、我々は、多くの約束事を果たすように日々行動しているはずです。
そういう約束を果たそうとする義務からいっさい解放されて、自由に過ごせる状況を想像すると、まるでユートピアのような極楽の世界がイメージされるかもしれません。しかし、そういう誰からも期待されない義務を果たす必要がない怠惰な世界は、本当に幸せな人生を過ごせる世界なのでしょうか。
私は、このようなゼロヒャクの極論を持ち出してどちらがいいか、人間というものは、社会に貢献することで幸福感を得ることができる、とか、道徳のお話をここで持ち出すつもりはありません。
多忙なビジネスパーソンがどうやって多くの責務を果たしながらできるだけ効率的に仕事をこなしていけるかというお話に論点を移していきたいと思っています。
冒頭の名言を、「約束をしない」のステートメントを次のように言い換えて処世訓としたいと考えています。
(1)「約束を相手や第三者が果たすものに置き換える」
相手から仕事の依頼を受けた場合、その仕事を遂行するために最良の担当者が誰であるかを逆提案する。いきおい、自分ではない担当者を推薦することになる。自分の課題・責任が減じる他、最適任者に当該仕事を任せることができる。
(2)「約束を瞬時に解決して、約束事自体を消去する」
問い合わせや見積表の作成依頼、新しい仕事への再適者の推薦など、事の大小は問わず、日々、いろんな作業依頼や相談を受けていることと思います。私は、タスクの緊急度と重要性の組み合わせで作業優先順位付けをするような手の込んだことはやりません。すぐに返せるボールは即時に打ち返すことを心がけています。
つまり、頭の中に気になる約束事を記憶する量を極限まで少なくすることで、脳と作業負荷軽減を極小まで減らします。私の仕事の結果を待っている人のストレスも極小化することができます。
そもそも、第三者の再適者の約束に転嫁するか、約束を瞬時に解決してなかったことにするか、このナポレオンの名言について、私はこの2つの方法で対処しています。
(^^;)
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