■ 自分の限界値を知るための唯一の方法とは?
Only those who dare to fail greatly can ever achieve greatly.
あえて大きな失敗をする人だけが、大きな成功を実現できる。
(米国の政治家 1925~1968)
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あなたは、自分の仕事の効率性をどうやって知ることができると思いますか?
例えば、ホワイトカラーが、一時間に独力で処理できる書類仕事の量を知りたいと思うとします。次の仕事の依頼を受けたとき、どれくらいの納期で仕上げることができるのか、または、どれくらいの工数で仕上げることができるのかが分かっているが重要となります。なぜなら、完成納期を即答できることは、依頼者を安心させることにつながるからです。また、工数比例でコストがかかる場合は、どれくらいの費用を必要とするのかも事前に知らせることができるからです。仕事の発注者が適切なタイミングで、適切な担当者に仕事を依頼することを可能にする事前情報はできるだけ準備されていることは望ましいことです。
そのために、ホワイトカラーは、製造ラインに入って仕事をしている作業者以上に、自分の仕事の効率性、アウトプットの出来栄えを十分に把握することを意識的に行う必要があります。というのは、ホワイトカラーの生産性の低さが、現代の日本の現場にて、“働き方改革”を看板にして、重要視されているからです。ホワイトカラーの生産性を量的に可視化することは難しいこととされています。しかし、それは本当でしょうか?
私は、20年以上、自分の作業結果を15分単位で記録しています。そこから、どんな書類仕事を、どれくらいの作業品質で、どれくらいの時間をかけると仕上げることができるか、作業依頼者に依頼を受けた段階で代替答えることができます。依頼者は、その回答に不満を覚えれば、もっと適格者に素早く仕事を振ることができます。自分自身も、最初から無理な期待をかけられた仕事をして、出来栄えにがっかりされて、評判を落とすリスクを回避することができます。
そうした自分の生産性、効率性、作業品質の水準を知るためには、大きな失敗を仕事上で経験することが大切です。というより、失敗しないと分からないことが大半だと思います。そうやって、大失敗を犯した時になって初めて、自分の限界値・臨界値を知ることができます。
自分の限界値を知ることは、
① 自分の裁量で仕事量と作業順を調整することができ、主体的に活動できるようになる
② リスクや見通しを明確に示すことで、作業依頼者からの信頼を高めることができる
ことを可能にします。
それでは、もっと大事なことはなんでしょうか?
それは、若手や部下に大失敗をしても、致命傷にならないようなチャレンジできる環境を上司が用意してあげることです。上司の管理可能な範囲で部下を上手に失敗させる。これが管理職が部下を育成するために必要なことではないでしょうか?
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