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コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(19)大秘密第四番 - これまでしてきたことが問題を解決しなかったら、何か違うことを勧めるのがよい

本レビュー
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■ 大秘密第四番

このシリーズは、G.W.ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、著者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、私のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページはこちら(英語)

ワインバーグ氏の義兄であるマービン医師のお話が続きます。今回、マービン医師の正体が少し分かることになります。彼は老医師であるだけでなく、精神分析医なのでした。彼は、月に一回州立病院に出かけて、最も手に負えない病症についてスタッフ医たちの相談に乗っているそうです。

彼によれば、この種の相談業務ほどやさしいものはないんだそうです。しかも、医学も精神分析の知識も全然使わなくて済むのだそうです。なぜなら、スタッフ医がどんなに難しい病症を持ち出して相談してきても、マービン医師の答えは決まっているからだそうです。

スタッフ医が処置Aで結果が出ていないと相談すれば処置Bを、処置Bで結果が出ていないと相談すれば処置Aをお勧めするだけだからだそうです。もちろん、勿体ぶって、実しやかに、そして小難しい理屈をつけて別の処置をさも正しいように思わせて説明します。

ワインバーグ氏によれば、医者ほど医学に騙されやすい人種はいないとのこと。これは、その道の専門家であればあるほど、その領域に知見と経験があればあるほど、その専門領域での常識・常道や先達の見立てをそのまま鵜呑みにしてしまう傾向があるのだそうです。

それは、ビジネスの世界でも同じ。工場勤務の人は自分ほど生産管理に精通している奴はいないと思っているし、営業現場にいる人は、自分ほどお客様のことを理解している奴はいないと思うものです。そして、その道の専門家(自社の経験者や専門家ぶっているコンサルタント)の言葉を信じやすい。(^^;)

おっと、話が横道に逸れました。本道に戻ると、ワインバーグ氏がマービン医師から得た金言は次の通り。

もし彼らがこれまでしてきたことが問題を解決しなかったのなら、何か違うことをするように勧めるのがよい。

医学の問題ですらやり方を変えるだけで見違えるほどの成果を得られるのなら、ビジネスや経営の問題はもっと解決しやすいでしょう。所詮、それらは人間の問題に帰結するのです。人の問題は、少なくとも想像力または見通しの欠如に起因します。

ですから、経営課題で困っているクライアントに対して、それまでとは違う方法を勧めてそれを実践するだけで改善がみられることが多々あるのです。その違う方法の中には、当然「何もしない」も含まれますが。(^^)

⇒「コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(16)大秘密第一番 - こわれてねえのなら、なおすなよ。
⇒「コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(17)大秘密第二番 - 自分で自分を治せるシステムを繰り返し治療していると、ついには自分を治せないシステムができる。
⇒「コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(18)大秘密第三番 - どんな処方にも2つの部分がある。その一つは薬、もう一つはそれが正しく使われることを保証するための方法だ。

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