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コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(39)平準化の法則 - たった一つの支配的課題だけを抱えない

経営コンサルタントのつぶやき_アイキャッチ本レビュー
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■ ルウディーのルタバガ法則を覚えていますか

経営コンサルタントのつぶやき_アイキャッチこのシリーズは、G.W.ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、著者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、私のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

外部リンク G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページ(英語)

「コンサルタントの仕事は、課題解決をすることである」、と胸を張って断言をするコンサルタント仲間が私にはいます。その人はコンサルタント業に誇りを持っているし、実際にクライアントの課題をずっと解決し続けてきた凄腕のコンサルタントの一人です。でも、私にはそういう断言はまだ、というか、ずっとできないでいるに違いありません。

皆さんは、「ルウディーのルタバガ法則」を覚えていらっしゃいますか? 日本人にはまずルタバガがお野菜の名前だということから説明する必要があるかもしれません。

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その要点は、一番大きな課題を解決したら、2番目に大きな課題が次に身の上に降りかかっているという現象をうまく表現していることです。そういう困難がひきもきらない状態に慣れることがコンサルタントにとって一番大事なことかもしれません。

やがて、悲しいかな、コンサルタントは目の前の課題が解決されたら、次の課題を上手に見つけるものです。そして、大抵の場合、それは前の課題より恐ろしく困難で時間と手間がかかるものと相場が決まっています。

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■ 「平準化の法則」とは

ルウディーのルタバガ法則、あるいは、コンサルタントの困難法則にしたがって、課題は常に我が身に降りかかってきます。例えば、あなたの職場で何か問題が起こっていると仮定します。皆さんはABC管理(ABC分析)または重点管理の名で、在庫管理手法をご存知のことと思います。

課題の深刻度を発生している関連お困りごとの数と仮定した場合、全体のお困りごとが1000件あるとして、最重要案件Aは700件、次席重要案件Bは150件、三位重要案件Cは60件のお困りごとを抱えているとします。おそらく、あなたはABC管理のお導きにしたがい、最重要案件Aから解決に向けた施策へ着手するのが自然だと考えるはずです。

案件Aを片付ければ全体の70%のお困りごとを解決できたことになります。次に、案件Bを片付ければ残ったお困りごとの50%を片付けたことになります。ここまで来ると、残件合計がC:60件とそれ以外の雑多な案件が90件の150件となります。さすれば、この時点の最重要課題はCとなり、Cの全体に及ぼす影響度は40%であると考えることができます。

最悪の事案に対処しているうちに、最悪の事案が引き起こすお困りごとの数も次第に減少してき、やがて、残る問題は、全体に対してそう違わない構成割合のものになっていきます。例えば、残件10件でお困りごとがやはり10個になったケースを思い浮かべてみてください。

ワインバーグ氏によれば、「平準化の法則」とは、このような課題解決の程度を分かりやすく示すものです。

有能な問題解決者は、数多くの問題を抱えることはあるが、一つの支配的な問題を抱えることはめったとない。
G.W.ワインバーグ著「コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学」(P80)

■ 「平準化の法則」を知っておくメリット

平準化の法則を使って、ワインバーグ氏は大変重要な示唆を与えてくれています。それは、クライアントが抱えている課題とお困りごとの分布をざっと最初に確認するだけで、クライアントが直面している状況が手に取るようにわかる可能性がとても高いからです。

もしトラブルの分布が比較的均等であるとすれば、依頼主は一個の大問題を抱えているのではないと仮定してよい。むしろ彼らは、どれか一つの問題が手がつけられないほどふくれ上がるというようなことなしに、問題にうまく追いついて行っている、という可能性が高い。
一つの大問題というようなものがないということは、何らかの効果的な問題解決メカニズムがすでにその場に存在している、ということを暗示している。
G.W.ワインバーグ著「コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学」(P80)

つまり、少数の課題の影響度が大きい場合は、まずその課題を解決することが最優先であり、課題の影響度がばらけている場合は、上手に課題が処理されているメカニズムが何かを探し出すことが最優先となる、ということです。

コンサルタントが目を見張るような素晴らしいソリューションを提示するのは前者の場合で、後者の場合は、地味だけれど、はっと気づかせくれる新たな視点を与えてくれることが多いでしょう。

コンサルティング業務は、追求すればその業務品質にはキリがありません。かといってどこかでプロジェクトは終了させねばなりません。どこまで行ったら一区切りとするべきか悩むこともあるでしょう。そういう時には、この法則を思い出してみてください。

それゆえ、筆者は常に「課題解決」に目くじら立てることはしないのですよ。うまく課題と調和している場合は、その調和の具合や、調和がとれている状態維持のための保護施策を提示することにしています。

おかげ様で、そうした私の行動様式(ビヘイビア)を理解してくださるクライアントが多いことが私の幸運でもあるわけです、はい。^^)

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