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(サッカー人として)三浦知良 2015年8月28日 日経新聞(朝刊)より

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■ 軸1つですべて変わる

コンサルタントのつぶやき

いまや甲子園がゴールじゃなく、目指すは大リーグという高校球児もいるだろう。サッカーだとさらに日本代表という最終目標がはっきりしていて、代表でワールドカップ(W杯)に出るまではすべて通過点、と高校世代もとらえている。
 ただ、そもそも「最終目標」などは人生にない。頂点のW杯ですら終着点にはならない。W杯で優勝しても、変わらないと思うよ。目標とは到達して一度は達成となるものだけど、終わりは訪れない。それが人間の欲であり、物事の進歩を支えてきたものだから。
 清宮選手にも流れがあったと思う。ホームランがほしくて、でも打てず、期待は高まるなかで、1つ打てた。本塁打が出てからは打席で硬さが抜けていた。それほど「1つ」というのは大事なんだ。だから僕らも、1つのプレーで、極論すれば人生さえも変わると思ってやっている。1つのヒット、得点、勝ち負け。その1つのために365日を費やし、積み重ねらえる。それがプロなんだね。
(元日本代表、横浜FC)


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「目標とは到達して一度は達成となるものだけど、終わりは訪れない」

ある目標が達成されると次の目標設定がなされる。その連鎖が人生だ! ひとつのことを突き詰めて、その高みを目指す。どんなに小さい目標でもいいから、途中途中にマイルストンを設定して、ひとつずつ達成できるように、自分の能力を発揮していく。その内に自分の潜在力が高まり、ちょっとずつ、高めの目標を達成できるようになる。
 私の仕事に惹きつけて話をするのもおこがましいですが、私も、お客様の経営管理の仕組みを変革していくのに、取組みをできるだけ、段階的に、1つ1つ小さな目標(変革)を達成していったら、最終的には大きな改革が成し遂げられていた、そういう状況に、関係者が知らず知らずのうちに置かれていて、極々自然に、目の前の目標を達成し続けることで、ある時ふっと後ろを振り返ると、随分高い地点まで登ってきていた。そんな努力の熱狂の渦中にお客さまを導けるように努力しています。

「その1つのために365日を費やし、積み重ねらえる。それがプロなんだね。」

プロの道は大変厳しい、そういう雰囲気が漂う一節でした。しかし、当人は苦になっていなんですよね。好きな道で、高めの目標を達成するために、毎日努力する。自然に頑張れる。無理をしないで頑張れる。それは、好きな道だからこそ。そして、目標設定の無理目な感じが絶妙の場所に設定されているから。どうも、一見して絶対達成できないという印象を持つ目標をあたえられると、人はやる気を失ってしまいますからね。
 私は、学生時代、受験勉強がいやでいやで、自分は「努力する才能がない」と、振るわない成績を前に悲観したものです。

ここでちょっと持論を。

「目標」と「目的」は違いますよ。

「目標」は「ゴール」とか「なりたい自分の姿」「到達したい状態」のこと。具体的で、定量的で、その達成に向けて、計画できること。

「目的」は、そもそも「ありたい自分の姿」「達成した後に得られるもののイメージ」のこと。相対的に抽象的で、どちらかというと、「目標」を一つ一つ達成してかたづけていったら、成就するもの。

「目標」は「達成」する、「目的」は「成就」する。ちょっと心構えが違うんですよね。

「戦争論」で有名なクラウゼヴィッツの言葉。「目標はフランス軍、目的はパリ!」
プロイセン軍の力をフランス軍の力量にまで高めることは「目標」。
その結果、フランス軍との戦いに勝利して敵国の首都であるパリを陥落させるのが「目的」。

カズの言葉から、「目標」と「目的」の違いまで、思いを巡らせたコラムでした。

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