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アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉(84)ほめてはいけない!

本レビュー
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■ ほめることは、相手を下に見ているメッセージにもなる!

コンサルタントのつぶやき

ほめてはいけない。
ほめることは「あなたは私よりも下の存在だ」
「どうせあなたにはできっこない」と
相手に伝えることに等しいからだ。

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わたしがアドラー本を読んで最初に驚愕を覚えた主要メッセージのひとつがこれになります。

「ほめてはいけない」

褒めることは、上から目線で、下と認定した者に対して、「よくできました」と承認行為を行うことと同義です。学校で、職場で、先生から、上司から「褒められる」ことが当たり前の人生だったので(その反対の「叱られる」経験の方が圧倒的に多かったのも事実ですが、、、)、最初はアドラーの言っていることが理解できませんでした。

「私は、褒められて伸びるんです」「褒めて子供を伸ばす」という言説が世の中に当たり前のように流布しています。だから、先生や上司から褒められることは自分の実体験に照らしても当たり前の日常だし、褒められると単純に嬉しいと感じてきました。

しかし、「褒める」という行為は、主体と客体において、2人の人間関係において、最初から上下関係を前提にしたコミュニケーションであることを完全に失念していました。「褒める」のは上から目線の言動、「勇気づけ」は横から目線の言動です。

対等な友人関係で「ほめる」という行為には不自然さがつきまといます。友人関係ならば、相手が賞賛に値する行動をした場合のリアクションとして、ごく自然でスマートな振る舞いは、「褒める」ではなくて「感謝する」なのです。

自分自身のコミュニケーションを分析したことがあります。人生の時間のほとんどを職場で過ごしている自分にとって、会社の同僚・上司・部下との人間関係では、圧倒的に「褒められる/褒める」というパターンであることに驚愕しました。

できるだけ、プロジェクトメンバに対しては、「●●してくれてありがとう」と感謝の言葉に置き換えて、気持ちを伝えるように努力していますが、どうしても、「●●できるなんてすごいじゃん」とせいぜい、賞賛の言葉に置き換えるので精一杯。。。なかなか意識していても、「●●してくれてありがとう」という言葉を投げかけることができずに苦労している日々を過ごしています。

一足飛びに、「感謝」の意を伝えることが難しいなら、「賞賛」の言葉で、とりあえずあなたの気持ちを伝えたらいかがでしょう? 上から目線の「褒める」よりは、相手を尊重した言い方になると思います。相手への言葉の投げかけは、相手の存在をどのように認識・意識しているかの裏返しです。

こういう目線で、周囲の人々の間で交わされている会話に耳を傾けて分析してみると、その人々の対人認識の差が手に取るようにわかって興味深いですよ。

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