■ コンサルタントはよく企業のお医者さんという言い方もされますが、、、
これだけは きみもキモにめいじておきたまえ 医者は 人をなおすんじゃない 人をなおす手伝いをするだけだ なおすのは…本人なんだ 本人の気力なんだぞ!
(本間丈太郎|ブラック・ジャック ©手塚治虫/秋田書店)
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「人生という名のSL」からの一節。ブラック・ジャックの夢の中での本間先生の一言。本間先生はブラック・ジャックの命の恩人。上の画像はアニメ「縫い目皮膚の提供者」(原作:第99話「友よいずこ」)から。
医者というのも因果な商売です。
(もし、ビジネスという視点で医師を語ったらということで)
なぜなら、腕のいい、仕事を立派にやり遂げた医師は、患者さんを全快させ、もう病院にくる必要のない健康を取り戻すことが成果だからです。つまり、患者さんを治せば治すほど、患者さんに尽くせば尽くすほど、ビジネスとしての客は減っていくからです。
名医の評判を聞いて、遠方から患者さんが集まってくることはあっても、いったん、病気やケガが全治すれば、もう必要とはされなくなってしまいます。頑張れば頑張るほど、目の前のお客様が去っていくのです。
私はこの状態をコンサルタントも理想にすべきだと常々考えています。医師に比べ、コンサルタントがクライアントにできることは非常に限られているけれども、誠意を尽くして、結果を出せば、やがてクライアント企業は立ち直るか、経営課題を解決しているので、もはやコンサルタントを必要としなくなります。
自分を必要としなくなるように(市場での需要を無くすために)、日々、ハードワークを続けるのです。それは、自己満足以外に何が報酬として与えられるのでしょうか? もはや、ビジネスとしては、直面するクライアント単位では究極的には持続可能性は無いので、やり遂げた後に達成感やクライアントからの感謝の言葉、貢献心以外の報酬を求めることはできないのだろうと考えています。
ここで、お金のためにコンサルタントをやっているとか、ずっと自分を必要とせざるを得なくするコンサルティングサービスのためのノウハウとか、私からは完全無視です!
お金儲けのためなら、もっと割のいい商売は他にあります。真剣にコンサルティングをやったことがある人なら、これだけ労力と時間と気力を使って、その見返りとしての金銭的な報酬の割の合わさな加減、クライアントのことに心砕いたコンサルタントであるなら、承知しているはずです。
これは、決して、コンサルティングフィーが安いと申し上げているわけではありません。念のため。世の中には、もっと労働力や知恵を換金性の高いものにできる商売が実在する、純粋にお金儲けのためなら、そっちを選択した方がいいよ、という意味です。具体的な商売名をここで言うわけにはいきませんが。(^^;)
医師も、コンサルタントも、患者さんやクライアントが自分で何とかしようとすることのお手伝いをほんの少しできるだけの存在なのです。そして、やがては自分を必要としない時期が必ずやってくる運命にある。そういう意味では、同じカテゴリーに入れても、医師の方から反論はない、ということで了解して頂けますか?(^^)
私は、この世から管理会計を撲滅するために、管理会計をコンサルティングサービスの題材にしています。つまり、業績的に成功した企業は、最終的に、管理会計のしくみが提供する計数データを必要とせずとも、うまい具合にビジネスが回っていくものなのだから。
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