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老子(1)学を絶てば憂い無し - そんなにつらいんだったらやめていいんだよ

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■ つらくなっているのは中途半端にものを知っているからかも

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学を絶てば憂い無し

老子

出典:Page 72 of Edward Theodore Chalmers Werner’s Myths and Legends of China on Project Gutenberg

老子(中国の思想家/生没年不詳)

老子(ろうし)は、中国春秋時代における思想家・哲学者です。この時代の思想家は諸子百家と呼ばれ、そのうちの道家は老子の思想を基礎とするものです。また、後に生まれた道教は彼を始祖に置いています。

孔子が徹底的に、自分で自分を追い込んで、自分を奮い立たせて、やせ我慢を通しても聖人君子であろうとしたのと対局にあるのが老子(と彼を祖とした道家集団)の思想です。彼の思想を超超訳すると、「思いっきり肩の力を抜いていいんだよ、楽しむための人生だよ」というセリフを本当ににこやかに微笑みながら語りかけてくれる姿が目に浮かびます。

さて、唐突に老子の「学を断てば憂い無し(絶学無憂)」を持ち出したわけではありません。最近、自分の風船理論のイメージが頭の片隅から消えずに困っているからです。風船理論というのは、知れば知るほど、己が知らないということをより強く思い知る法則のことを言います。

空気を入れていない風船は小さくしぼんだままで、表面積はゴムが伸びる(広がりきる)前のままの製造段階のものと同じです。でも、呼吸のたびに息を吹き込むと、次第に表面積が広がっていきます。風船の中に吹き込んだ息の量を自分の知識量であるとメタファーで置き換えた場合、風船が膨らむ=努力して知識をため込む、というところまでは問題ありません。

しかし、どんどん表面積が拡大していくと、外界との接面積が広がりますよね。これが、自分の脳が学習しても学習しても、足るを知らないというか、ひとつ分かるとひとつ以上分からないことが登場してくることに気を揉んでいる様子をものの見事に表しているという実感があるのです。

■ 中途半端にものを知っている状態ってどういう状態?

これをもって老子は、「学んでも学んでも悩みの霧が晴れないんだったら、もう学ぶの止めたらいいじゃない?」と優しく囁いてくれているわけです。普通の人は、そこまで極端じゃなくて、いい感じ(中途半端じゃない程度)にどこまで学習すれば、または、どこまで知識を蓄えたら満足できるものなのかな? とその程度を教えてほしいわけです。

私もいい年してロジックだけで極論を振り回すのは卒業しているつもりなので、この問題にもある程度、心の落ち着かせどころを持っているつもりです。

「辛いと感じたら勉強するのを止めればいいじゃないかな」

受験勉強や資格勉強はほとんど失敗してきましたが、この失敗という意味は、資格を取りたいとか、第一志望の学校に入学できなかったという意味です。でも、これって、本当の学習の楽しみのための勉強ではなくて、他の現世における何かの便益(利得)を狙ってする行動ですよね。

失敗か失敗でないかは、その時に狙った便益(利得)が手に入ったかどうかだけを評してそういっているだけで、学習者の本当の目的とは違う領域のお話だと理解しています。学習者の本当の喜びは、今まで知らないことを知ることができて、それだけで満足することなのだと思うんです。

だから、勉強しても勉強しても、時間も足りないし、どんなにあがいても知らないことだらけで辛くてたまらない、と感じている時は、本当の学習の目的を達成できる精神状態にそもそもないというわけです。だとしたら、一息入れるのが大人の知恵というものです。

人生100年時代というけれど、やっぱり、生きている間は、この与えられた時間をできるだけ有意義に過ごしたいですよね。だったら、勉強していても楽しくないといけないんです。苦しいだけの勉強はすぐにやめた方がいいです。動機(目的)が不純か、目標設定を誤っているか、手段(勉強方法)が不適切か、だと思うんです。

私の学習者として次の目標は息をするように自然に学習できるようになることです。そこには、受験という現世の利得を目的とするものではないし、他の誰と比べるものではない、本当に自分の知識欲を満たすだけの、純粋な楽しみのための学習時間。

勉強だけしていればよくて、他は何もしなくてもよくならないかな~?
(まさか、受験生時代に、こんな気持ちを抱く大人になるなんて自分でもビックリです!)

でも、がんばれ受験生!(主に、自分の長男(18)に向かって言っています)^^;)

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