■ チャレンジしなければ傷つかない。でもそれで本当に幸福と言えるのか?
「仕事で敗北しませんでした。
働かなかったからです」
「人間関係で失敗しませんでした。
人の輪に入らなかったからです」
―――彼の人生は完全で、そして最悪だった。
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アドラーは辛辣に内に閉じこもる人の心理を解析します。
失敗や敗北を回避するために最も確実な方法は、チャレンジをしないこと。
会社でライバルに負けることを回避するには、会社勤めをしないこと。
恋愛で、異性からフラれることを回避するには、告白をしないこと。
人間関係で傷つくことを回避するためには、人の輪に入らないこと。
しかし、誰ひとりいない無人島で豪華な車を乗り回し、大きな家に住んでみても、幸福感は決して得られないでしょう。仕事の課題、交友の課題、愛の課題と、人生は課題の連続です。その課題に勇気をもって挑戦し、克服することで人は初めて幸福感を得ることができるのです。
ではその課題を克服するために必要なものは一体何でしょうか?
それは、克服しようとする心の中の活力、「勇気」と、その方向付けとなる「共同体感覚」なのです。
考えてもみてください。仕事の課題は、直接間接を問わず、仕事の中で、対顧客、対上司、対同僚に対する貢献でしか解決できません。交友の課題は、友人に対する貢献と、友人に対する信頼がなければ解決しないのです。愛の課題は、最も深い感情を相手に振り向けないと解決しないのです。仕事、交友、愛の課題を解決しようと行動するところに、所属感という居場所が見つかり、心の平安が訪れるのです。
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