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孫子 第11章 九地篇 54 其の愛する所を奪わば、即ち聴かん - 弱者の戦法 敵が万全の態勢で攻撃を仕掛けてきたら?

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■ 攻勢に出てきた敵を迎え撃つには?

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敵軍が大兵力のうえに、整然とした陣立てで攻め寄せてくる場合には、その敵をどのようにして待ち受ければよいでしょうか。

(1)敵の大事な所を攻めて態勢を崩す
敵が重視している地点を奪い取れば、敵はそこを奪い返そうとして、せっかく整えた態勢を崩すので、その後はこちらの望みどおりに事を運ぶことができるでしょう。用兵の実情は迅速を旨とします。

(2)敵の手薄な所を攻めてことを有利に運ぶ
敵が兵力を配備していない隙に付け込んで、予想もしていない手を使い、敵が警戒していない地域に出撃するのです。

(出典:浅野裕一著『孫子』講談社学術文庫)

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孫子は、負けない戦を常に目指します。そして、勝敗は敵と味方の相対的な力関係でのみ決まります。前節(孫子 第11章 九地篇 53 利に合わば而ち動き - 弱者の戦法 自分が強いポジションが取れないときは相手の不利なポジションで戦う)では、敵方の不備・弱点を突いて、常に有利な状況でのみ戦いを仕掛けることを説きましたが、今回は、敵が攻勢に出てきたときの対処法になります。

敵が大攻勢に出てきたということは、素直に考えると、敵方の方が有利であると少なくとも敵方はそう判断しているケースが多いものです。こうした時は、その大攻勢に出てくる敵と真正面から相対峙しては、勝率が高くなる保証は通常はありません。「兵は詭道なり」「奇兵(敵の不意を突く)こそ勝利への近道」。

古代中国の事例ですが、敵軍が大攻勢に出てきた際には、まず国都や穀倉地帯の拠点など、相手が決して占領を座視できない地点に偽装攻撃をしかけます。そうすると、敵があわてて奪還に動いて態勢を崩すところを狙って一撃を食らわせるのです。換言すると、戦いにおいて、常に主導権を握り、敵を不利な方へ、味方を有利な方へ誘導して戦場を設定する。その構想力の有無が勝敗を決すると言えましょう。

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