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そのおっさん、米国公認管理会計士(USCMA)のテキストで棚卸資産と有形固定資産を学習する

管理会計_アイキャッチ 米国公認管理会計士
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Inventories (棚卸資産)

棚卸資産は、製造業だと「製品」、商業(流通業)だと「商品」と呼び分けられています。もちろん、製造業でも、外製品を転売するビジネスの場合は、「商品」に区分することになっています。

英文会計では、アルファベットが長い分、その用語の違いはくっきりと分かります。

  • Merchandise inventory(商品)
  • Manufactureing inventory(製造業における棚卸資産)
    • Raw materials(原材料)
    • Work-in-process:WIP(仕掛品)
    • Finished goods(製品)

講師の先生の説明の中で、これは聞き流しておいた方がいいな、と感じた説明がありました。

まず、売上原価(払出原価)の計算タイミングには、都度計算する Perpetual inventory system(継続記録法)と、期末にまとめて計算する Periodic inventory system(棚卸計算法)の2つがあります。 という説明を前提に、

「購入時の仕訳として、借方の勘定科目は、継続記録法の場合は『Inventory』で、棚卸計算法の場合は『Purchases』と異なります」

まあ、そういうことにしておきます。。。^^)

JGAAPとUSGAAPの相違点について。

  • 仕入返品:purchases returns
  • 仕入値引:purchases allowances
  • 仕入割戻:(テキストには説明なし)purchase rebate
  • 仕入割引:purchases discounts

ほら、機械的に「Inventory」を使っちゃうと困るでしょ?

一般用語と会計用語とでは、「割引」の線引きは異なり、会計用語としての「割引」の本質的な取引意義は、現金割引、期日より早い決済の分だけ金利負担分を軽減してあげるというもの。JGAAPでは、財務取引ということで、営業外になりますが、USGAAPでは、商品/仕入勘定のマイナス扱いになります。

単価と数量のお話

TACのテキストも、英文会計をなぞったものなので、これを読んでいくのは筆者には少々辛いものがあります。というのは、「単価×数量」の並びが、英文会計の場合、「数量×単価」(Quantity X Unit cost)と正反対なこと。

例外も多いことは承知していますが、日本では、「単価×数量」が圧倒的に自然ではないでしょうかね。

ただし、日本人でも、以下のように、会計技法として、認識→測定=計上 を忠実に再現しようとして、「数量×単価」のほうが会計思想的に合っている、という説明にも一理あると思います。ただ筆者の慣れの問題です。これだけは、慣れるしかないと覚悟しました。

『「数量×単価=金額」は会計プロセス』
ありがとうござます。村上です。「数量×単価=金額」単純な公式のようですが、ここに会計の理論が凝縮されています。(本来は「単価×数量」の順番が多いですが、  こ…

あつ、ちなみに、TACの「財務報告テキスト Ver.3.0」のP30下の棚卸資産BOX図の単価×数量は、日本流で並んでいることが推測できるのですが、写植が崩れているので注意してください。

同じテキスト内でも、コンテンツをどこから引いてくるかで、「単価×数量」と「数量×単価」が並立しています。できれば、統一しておいてほしかった。。。

LIFO(後入先出法)と Specific identification method(個別法)

LIFOはIFRSおよび、コンバージェンスによってJGAAPでも認められていないのですが、不思議なことに、講義では、そうした採用・不採用についての説明が一切ありませんでした。もちろん、USGAAPでは認められているのですが、日本人向けの講義なので、そこは一言触れて欲しかった、、、

だって、延々、LIFOの場合の計算問題の対応法を説明されたから。特に、保有利得/損失(holding gain/loss)の論点をフツーに語られていたから。なにか、ここは突っ込まない、とする、言わずもがなの業界の掟でもあるのでしょうかね。

それから、講義を聴いていて、思わずのけぞったのが、個別法の説明のところ。個別法を採用する代表例として、「宝石」と「家具」が挙げられていました。おいおい、私が大学生の頃、簿記を勉強した時から時計の針が進んでいないぞ! と、一人で乗り突っ込み!

ちなみに、直近の有価証券報告書で確認しましたが、大塚家具・ニトリは、移動平均法に基づく原価法、島忠は、売価還元法による原価法 でしたよ。。。

PPE(有形固定資産)

Property, Plant, and Equipment、略してPPE。なるほど、英語ネイティブでもこの語は長いと思うんですね。日本人ならもっとうんざりします。

では科目の方も見てみましょう。テキストには何気にさらっとこう書いてあります。

  • Truck(車両)・・・乗用車、トラックなど

思わず、「truck」をググりました。

英語「truck」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
「truck」の意味・翻訳・日本語 - トラック、貨物自動車、(鉄道の)無蓋(むがい)貨車、(荷物)運搬車、手押し車、トロッコ|Weblio英和・和英辞書

「手押し車」「トロッコ」という訳語にも思わずのけぞりましたが、さすがに「乗用車」の訳語は見当たりませんでした。この辺は、日本語の「車両運搬具」のほうが無難なんだろうな~。

有形固定資産の取得原価(Original cost)は、購入代価(purchase price)+付随費用(necessary for its intended use)になります。

そこで、いくつかの付随費用の例がテキストP49に列挙してありました。

  • Finders’ fee(不動産会社への手数料)
  • Shipping(Freight and handling charges、運送費および手数料)
  • Legal fees for purchase contract(弁護士費用)
  • Title insurance(保険料)
  • Installation(据付費)
  • Testing(Breaking-in、試運転費)

ここで、講師の解説で聞き逃すことができなかったのが、「『Title insurance』は、運送時にかかる保険です」という説明。おいおい、不動産を運送するって? そしてその運送にかかる保険料って、マジで実務を分かったうえでそう言っているのか???

国土が広い米国において、自社のビジネスに最適な不動産を探すことは、日本以上に難しいものがあります。地面師などに騙されないように、不動産の権原を実際に入念に調べるサービスにかかる手数料と、その調査結果が適正であるという認証と、万一NGだったら保障をします、という保険までがワンセットになった一大不動産ビジネスモデルが米国には存在しています。

タイトル保険は、権原保険とも呼ばれます。

ググって一発で出てくる知識は最低限知っておかないと、おちおち講義もできないという、恐ろしい時代になりました。^^)

まあ、講師の方は、筆者が通信講座の受講生ということで、ほっと胸をなでおろしてまではいないと思いますが、筆者が教室の真ん前の席にいないだけ、講師の方は幸せだと人ごとのように言ってみたり。御坂美琴(ラストオーダー風)。^^)

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