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あなたの1000円が世の中を変える!新しい“お金”の流れ READYFOR(レディーフォー)社長・米良はるか 2016年1月7日 TX カンブリア宮殿

TV番組レビュー
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■ 1000円からできる“支援” 善意の19億円を世の中へ

コンサルタントのつぶやき

まずは東山動物園のお話から。かわいいコアラは大食漢の美食家で、日本には自生していないユーカリの葉しか食べない。そのため、動物園のエサ代の3割をこのコアラが占めることになっている。そこで、3年前にコアラのエサ代の支援をインターネットで募集。コアラを守ってと呼びかけたところ、「コアラをいつまでも見たい」との声と共に475万円ものお金が集まった。

この支援を呼びかけたのがレディーフォー(READY FOR?)というサイト。

クラウドファンディング – READYFOR(レディーフォー)
https://readyfor.jp/

コアラ以外にも支援を募るプロジェクト数は、累計3700件以上。
例えば、

「銚子電鉄の脱線車両を復活させたい」
・支援金:484万円

「沖縄離島の医療用飛行機の購入」
・支援金:3629万円

レディーフォーのしくみは、
① 支援を依頼する人が、プロジェクトを決め、目標金額をサイトに登録
② 応援したい人が、それを見て出資(一口1000円程度から)
③ 目標額に達すれば支援完了
④ 支援者には、出資に対するリターン(おまけがつく)

例えば上記のコアラのエサ代支援プロジェクトでは、コアラのウンチペーパーしおり。ユーカリのさわやかな香りがするんだとか。銚子電鉄のプロジェクトでは名物のぬれ煎餅。こうした取り組みで、レディーフォーは、延べ14万人から19億円を集めた。国内有数の支援金サイトなのだ。

レディーフォーは創業5年、社員42人の小さなベンチャーだ。収入は手数料。手数料は集まった支援実施額の17%だ。ではどうやってプロジェクトを立ち上げるのか。レディーフォーではプロジェクト立ち上げ担当者を「キュレーター」と呼ぶ。そもそも、キュレーター(curator)とは、博物館・美術館の学芸員のこと。プロジェクトのことを世に知らしめる、という意味が込められている。

キュレーターの仕事
① 現場に出向き状況を把握する
② 支援を呼ぶ感動できる“ストーリー”を見つける
③ プロジェクトの実現性を見極める
④ プロジェクトを実行支援する(応援促進のお手伝い)
  (支援実現に向け依頼者に寄り添う)

レディーフォーの応援募集期限はおよそ、1ヶ月~1ヶ月半。その間に目標額に達することができない場合は、支援金は支援者に元に戻される。ちなみにこの場合はレディーフォーの手数料もゼロになる。

■ あなたの1000円が世の中を変える!寄付でも投資でもない新たなお金の流れ

支援金募集サイト、レディーフォー。それを率いるのが米良はるかさん(28歳)。

20160107_米良はるか_カンブリア宮殿

番組公式ホームページより

「現場で頑張っている人に直接お金を出す金融の仕組みがあってもいい。それをリアルタイムでできるのがネットの強さ。」

レディーフォーのように、ネットで大勢の人からお金を集める仕組みを「クラウドファンディング」という。「クラウド」は“群衆”、「ファンディング」は“資金調達”という意味だ。

「進行中のプロジェクトが300件ちょっと。毎月1000近くのプロジェクトの応募をいただく。2008~09年頃からアメリカでスタートしてどんどん世界中に広がっていって、いまは数千から1万弱のサイトが世界中に広がっている。いろんな人たちがもっと気軽にスタートしてほしい。それが趣味的なものでも社会的なものでも、どんどん発信していってほしいという思いからやっている。」

小池さんの最大の疑問。
「目標金額に届かないと、出資者に返金じゃないですか。わずかでも集まったらそれが助けになる人もいますよね。」

「我々は、お金を集めるプラットフォームという責任があるので、お金が集まったら(プロジェクトを)実施してもらわないといけない。(実施できる)最低金額を設定してもらっているので、そのお金が集まらなかったら、「できない」ということになる。オールorナッシングという仕組みをとって、「集まったらできる」「集まらなかったらできない」と。」

■ “つながる”“実感できる” 新しい支援のカタチ

すべての始まりは6年前。大学4年生の時にさかのぼる。2010年2月、バンクーバーで開催されたパラリンピック。その数か月前、米良はスキー代表監督と話す機会があった。そこで衝撃を受けた。

「金メダルを狙える実力はあるんです。でも資金がなくて、ワックスも満足に買えないんですよ。」

そこで米良はスキーの滑りをよくするワックス代を募る寄付サイトを立ち上げた。100円から寄付でき、応援メッセージも書き込める。これが、レディーフォーの原点。米良はこのサイトで目標金額の100万円を集め、パラリンピックのスキー日本代表にワックス代を提供した。そして、日本代表は金メダル2、銀メダル1の嬉しい結果となったのだ。この時、チームの一員として感謝された米良は、支援を“実感”すれば大きな喜びがあることに気付く。

「この“楽しませる工夫”をつくっていければ、何かを応援するお金の流れを生んでいけるんじゃないかと」

支援を実感できる仕組みをつくりたい、との思いで、2011年「レディーフォー」を立ち上げた。そこで重視したのが、支援をする側とされる側をつなげるリターン。例えば、沖縄のおもちゃ美術館立ち上げの応援の場合、美術館にまで出向いて、支援者が持つ木製のヤンバルクイナを型どったピースを、木枠の中の自分の名前が書いてある場所にはめていくという、体験型リターンがある。

つながりを生む支援で多くの人の共感を呼ぶ、支援金募集サイトのレディーフォー。

小池さんがまたまた素朴な疑問をぶつける。
「何も実績が無い中で、どうやって(パラリンピック支援の)お金を集めたんですか?」

「プレスリリースを自分で書いて、いろいろなメディアを回って、「このサイトをやっているので取り上げてください」と足を使って回った。無事に120万円くらいのお金を集めることができた。私は内気な子供で、あまり自分のことを表現するのも得意な方ではなかった。ほぼ初めて自分からアイデアを思いついて実行に移すということをやった。金メダル2個、銀メダル1個は私の成果ではないけど、世の中に関与して喜んでくれる人がいるって、なんて幸せなことなんだろうと。でも、一方で支援をした人たちは満足したのかなと思うと、チームがどうなっていったかとか、どういう目的を果たしていったかとか、伝えるような仕組みではなかった。もっと人がわくわくするような感覚をどうやってサイトの中につくっていけるか、課題としてはそこを思った。」

村上氏が問う。
「何かに関与できるという喜びが大事なんだよね」

「リターンの設定も市場に出したら、むしろ原価で考えると全然(大したことが無い)というものもあるが、自分が少しお金を通じて、プロジェクトを一緒にやっているような気持になりたいと、お金を出す人は多い。お金を出した結果“つながる”とか“関与している”という体験を設定しているところが特徴かなと思う。」

『“関与したい”気持ちが新しいお金の流れを生む』

■ 新しい“支援”で「原節子」がよみがえる!

米良が作った新しいお金の流れに大企業も注目している。映画会社の大手、松竹。1895年(明治28年)創業で、4000タイトル以上の映画を制作して世に送り出してきた。国内の映画フィルムを保管する「東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館」。昭和24年に完成した巨匠:小津安二郎監督、主演:原節子の『晩春』。しかし、制作されて60年以上、フィルムには劣化が目立つ。実は松竹、こうした修復が必要なフィルムを約1000本抱えているが、デジタル修復するには一本数千万円かかってしまう。DVD販売の収益ではとても賄いきれない。そこで松竹が頼ったのはレディーフォー。「晩春」の修復費用を募ると、映画ファンから支援が殺到。605万円が集まった。松竹は修復されたデジタルデータを元に、「晩春」のブルーレイディスクを発売できた。そして、1万円以上の支援者には実物のブルーレイディスクがリターンになる。映画を見終わった後にも楽しみが。1万円以上の支援者にはエンドロールに名前が載るというリターンもついていたのだ。

村上氏の視点。
「クラウドファンディングは、多様性や間口の広さや参入のしやすさでどんどん広まっていくと思うんですよ。」

「「誰もがやりたいことを実行できる世の中にする」を会社のミッションとして掲げていて、何十万、何百万という人たちが当たり前に、当事者意識を持ってチャレンジを起こす世の中をつくりたいと思っているので。クラウドファンディングという手法が資金調達をする人の中で1つの方法としてしっかり認識されるようになることが大事だと思っている。」

レディーフォーは、金融機関からも熱い注目を浴びている。去年の10月、秋田の地銀・北都銀行と業務提携。地銀と組んで地方の中小企業にお金を回す仕組みづくりを始めていた。新たな“金融”としてその存在感を増している。

お金の流れで意思も動く。人間のコミュニケーションも動かす。社会を活性化する。お金の流れに乗って意思を大きく動かされた人もいる。浅草で人力車を引いている阿部さん。元々は、車椅子の友人が立ち上げたバリアフリーのプロジェクトを支援していたのだが、その内ある感情が。。。僕も夢を実現したい。長年の夢だった北極圏の単独徒歩プロジェクトを立ち上げた。すると、頑張れという声とともに、288万円が集まり、2014年3月に北極圏の単独徒歩に挑戦した。そして見事夢をかなえた。

『誰かの夢から自分の夢へ』

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番組ホームページはこちら
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20160107.html

レディーフォーのホームページはこちら
https://readyfor.jp/

クラウドファンディングについてのサイトはこちら
・anipipop
http://anipipop.com/what-is-crowdfunding/

クラウドファンディングの注意点についてのサイトはこちら
・Newsweek日本版
「「現代のパトロン」クラウド・ファンディングの落とし穴」
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2013/12/post-776.php

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