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ファイナンスリテラシーを持つ大切さ - ファイナンスとの上手な付き合い方

ファイナンス_アイキャッチファイナンス(基礎)
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何のためのファイナンスを学ぶのか

いきなり、怪しい投資話を持ち掛けようとしているのではありません。むしろ、ファイナンスを学ぶことで、ファイナンス理論に食い物にされないように自分の身は身分で守りましょう、という趣旨でこの連載を始めたいと思います。

皆さんにとって、手っ取り早いお金儲けの話と聞いて、何をイメージされるでしょうか? おそらく、多くの方がギャンブルや株式投資を頭に思い浮かべるのではと推測します。もちろん、ギャンブルと株式投資とでは、その運営主体や規制法の違い、それぞれの業界が持っている印象などは異なることは承知しています。

しかし、唯一、共通していることとして、「決して胴元どうもとが損しない仕組みになっている」ということは、いくら強調しても足りないくらいだと考えています。もし、ギャンブルが本質的に胴元が儲からない仕組みになっているとしたら、なぜ、公営ギャンブルが存在するのでしょうか。また、地方自治体の申請に基づきカジノの併設を認める「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)を巡って熱い議論を国会で行っているのでしょうか?

胴元の儲けはどこから生まれてくるのでしょうか? すべては、ギャンブルの参加者のお財布から出ていったお金からです。自分が知らない間に、胴元の儲けに加担して、お財布から幾ばくかの虎の子の資金がするっとなくなっているとしたら、背筋がぞっとする思いでしょう。

騙されないためには、損しないためには、相手の「手」を知らねばならないのです。さみしいことですが、それが現実というものです。

株式投資はどこまでギャンブルと同じなのか

株式投資がそのままギャンブルと瓜二つでまったく同じであるとは、さすがに筆者もそこまでは考えていません。筆者は、ギャンブルはしませんが、株式投資は多少たしなみますので。

しかし、株式投資の世界にはこういう格言が存在していることをご存じでしょうか?

「相場で負け続ける人はいても、勝ち続ける人はいない」

おそらく、株式投資は、世界中の優秀なプロフェッショナル達が切磋琢磨して競争している世界のひとつです。別の言い方をすると、魑魅魍魎ちみもうりょう跳梁跋扈ちょうりょうばっこしている世界とも言えます。^^)

そういう世界で、ド素人が下手に手を出して金融のプロ相手に勝てると思いますか? 金融の世界で儲けるための確立を上げるコツは、合法・非合法(あるいはグレーなもの)を含めて、いろいろとあります。その中でも、最もボロい儲けができるといわれているのが、素人相手の取引です。

日本政府が、あの手この手で、皆さんのタンス預金を、合法的に(失礼しました!)、いや合理的に、日本経済の成長のために投資に向かわせようと躍起になっています。筆者も広い意味では、もっと多くの方がファイナンスを学んで利殖できたら、それは社会経済と市民の成長と繁栄のためにいいことだと思います。

2019/12/7|日本経済新聞|朝刊 NISA投資 2階建て24年に刷新、低リスク商品に20万円枠

政府・与党は株や投資信託の運用益を非課税にする少額投資非課税制度(NISA)を2024年に刷新する。中長期の運用に適した低リスクの商品に優先して投資される仕組みにして、個人に資産形成を促す。20年度税制改正の議論では大企業がスタートアップ企業に投資する際の減税措置も固まった。個人と企業の資金を動かし、日本経済の活性化につなげる。

(下記は同記事添付の「政府・与党が検討する新NISA制度のイメージ」を引用)

政府 与党が検討する新NISA制度のイメージ_日本経済新聞_20191207

この表で見てお分かりのように、新しいNISAは、リスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来通り上場株式などにも投資できる枠(2階)の2段階の仕組みに改められることになります。

原則として、リスクの低い商品に投資した人だけが、2階部分にも投資できるようなインセンティブ設計にするそうです。そして、記事では、投資対象の商品について、金融庁と証券業界が調整を進めているそうです。新制度の1階部分は現行「つみたてNISA」とほぼ同じ金融商品となり、2階部分については、リスクが高すぎて資産形成に向いていないものを除外する方向で調整しているのだそうです。

ちょっと待ってください。行政(金融庁)と業界(証券業)とで、何がローリスク・ローリターン(1階部分)で、何がハイリスク・ハイリターン(2階部分)か、仕分けてくれるということなんですね。なんと親切なことなんでしょう! 我々国民は、行政と業界が決めたメニューからあれやこれやとチョイス(選択)するだけです。便利な世の中になりました。これから日本経済はますます安泰になっていくことでしょう。^^)

勝負というものはルールを決めた瞬間に八割は既に片が付いている

そろそろ、東京オリンピックが待ち遠しい時期に入りました。筆者と同世代の方は「ノルディック複合男子」と聞くと、今でも、1992年アルベールビル、1994年リレハンメルと2連覇し、金メダルを日本にもたらせたあの映像が頭に浮かぶと思います。

そして同時に、国際スキー連盟がルール改正を複数回にわたり実施し、前半のジャンプの本数を3本から2本に減らしてジャンプのポイントの比重を下げ、後半クロスカントリーの比重を上げた結果、日本勢が金メダルから遠ざかっていったことも思い出されると思います。

そういう中で、こちらは、ワールドカップの個人総合の成績ですが、95年の荻原健司選手、18年の渡部暁斗選手が金メダルを獲得したのは、まさに僥倖といわざるを得ません。いいえ、間違えました。お二人の練習の賜物だと思います。^^)

https://ameblo.jp/ogiwarakenji/

税務の世界でも、贈与税他の課税負担のための抜け道をふさぐため、国外財産調書制度により、5,000万円超の国外資産の申告が義務付けされたり、グループ内の株式移動に伴う巨額の欠損金を認めなくなったりしています。

デジタル課税を巡り、OECD、フランス、米国がみつどもえの戦いを継続中ですし、米中の関税報告合戦も耳目をひいています。

勝負は始まる前にもう実質的には終わっているのかもしれません。

ファイナンスはインタンジブルだからこそルールがものをいう世界である

ファイナンスは、主にお金を取り扱っています。その昔は、貝や巨石やゴールドな貴金属、その後は紙幣が加えられて、お金といえば、有形物としての「通貨」のイメージが先行していました。しかし、現代のいわゆる「お金」と考えられている全体の残高に占める「現金」比率がどれくらいかご存じでしょうか?

マネーストック統計の各指標の構成-2019-12-09-213200

外部リンク マネーストック統計の各指標の構成|マネーストック統計の解説 2019年10月|日本銀行

2018年3月時点の平残で、「現金通貨」は99.0兆円と金額は国家予算とほぼ同じで巨額ですが、広義流動性:1,751.7兆円の5.1%にすぎません。残りの94.9%は、証券やデータの形でこの世に存在しているにすぎません。

同資料に、金融資産(逆から見れば、金融負債ですが)を経済主体別に、同額を負債側から、現金通貨を含む通貨種別に、バランスシート的に表したものがありますので、こちらでも現金通貨の割合を肌で感じてみてください。

通貨発行主体のバランスシート-2019-12-09-213200

外部リンク 通貨発行主体のバランスシート|マネーストック統計の解説 2019年10月|日本銀行

このように、「お金」は、「そこに実在している」と想像していないと、本当に存在しているとは認知することのできない、概念的な存在であることがお分かりだと思います。もう、リブラでも、ビットコインでもいいです。そんな名前とかデータの保持方法の違いはもはや問題になりません。

リアルな「モノ」を扱う実物市場(野菜、自動車、スマホなど)より、バーチャルな概念データを扱う金融市場では、アイデア次第で儲かりもするし、損もするということになります。

実物の裏付けがなくても、価値が認められ、それが流通しているのです。こういう世界で、ファイナンスの知識も持たずに、ただスマホ画面や新聞の株価欄での株価の乱高下に一喜一憂していれば、そりゃ、発行側やブローカーの食い物になりますよね。自然に考えれば。

この連載では、「●●株がこれから来る!」「これからはブロックチェーン技術の●●コインだ!」という個別の投資指南は致しません。ファイナンスの理論と統計データと、現実のファイナンス事情(主にルール整備面)を順番に理解していけるようにかみ砕いた説明をしていきます。

プロに素人は永遠に勝てないかもしれません。しかしプロに「騙されない」ことは、同時に胴元に負けないということを意味します。勝つ見込みはないかもしれませんが、悪くても引き分けに持ち込めば、損したことにはなりません。後は、皆さんのファイナンス以外の得意領域で一つでも勝ては、あなたの人生は勝ち越しで終えることができるでしょう。

これ以上、言葉を重ねると、You●u●e的自己啓発セミナーじみたセリフしか出てこないので、今回はこの辺で自重しておきます。次回をお楽しみに。^^)

みなさんからご意見があれば是非伺いたいです。右サイドバーのお問い合わせ欄からメール頂けると幸いです。メールが面倒な方は、記事下のコメント欄(匿名可)からご意見頂けると嬉しいです。^^)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、過去及び現在を問わず、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

ファイナンスリテラシーを持つ大切さ - ファイナンスとの上手な付き合い方

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